児童デイサービス「フェザー」(鏡石町)
「フェザー」のある鏡石は、福島県の中通りの郡山市、須賀川市の南部にあるよ。地震の被害が大きかった地域です。事業がスタートする時に、震災があったんだけど、それでも立ち上がった「フェザー」。すごいな〜。みんなも応援してね。
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津波の被害はなかったものの、県内でも甚大な被害を受けた岩瀬郡鏡石町。
平成23年4月1日「児童デイサービス フェザー」の開所予定で、順調に準備は進んでいた。
平成23年3月12日に予定されていた内覧会の準備に追われていた3月11日の午後・・警報音とともに町が崩壊していく様子を目の当たりにして、目の前が真っ暗になりました。
1年前からこつこつと開所準備を進め、利用希望のお子さんのアセスメントを早めにいただき、一つ一つ手作りで教材をつくり、パーテーションを作り、視覚化構造化を行ってきた教室、プレイルーム、自立課題エリア、対面学習エリア、集まりエリアなど、医療機関とも連携してスーパーバイズいただきながら作り上げてきたものが一瞬にして崩壊・・・
2週間後の開所を前に、作り上げてきたすべてが崩れてしまった絶望感。
心が折れかけた時、支えてくれたスタッフたちと町の健康福祉課のみなさん。そして療育を必要とするお子さんを想像し、スタッフと「鏡石町初の児童デイサービス」を実現するために、スタッフと自転車で事務所へ通い、バラバラになった資料や教材、倒れたパーテーションなどを修理し、断水が長かった鏡石町の給水のタイミングに合わせて戻り・・・
自分の家族を守ることですらいっぱいだったはずなのに、どこからあのエネルギーが湧いたのか・・・を考えてみました。
あの時の、私たちのすべての原動力は「この地域で療育機関が必要なんだ!待っているお子さんが居るんだ!」との熱い願いと、立ち上げ前から支えてくださった鏡石町と勤務予定のスタッフ、そして保護者さん達が私の機動力となり、児童デイサービス・フェザーは奇跡的に立ち上がり、4月1日に予定通り開所することが出来ました。
華やかな開所式も何もできなかったけれど、開所日に笑顔で通ってくれたお子さん達を見て、願いが実現した喜びが心に沁みわたり、心が折れそうだった私たちにエネルギーをくださった「地域力」の素晴らしさを感じています。
一人じゃ何もできないけれど、スタッフのチーム力、そして地域全体がチームになる事で不可能が可能になる事を体験しました。
素晴らしい経験をもとに、さらに強く羽ばたいてゆきたいと思います。
(文責)
NPO法人地域生活サポートセンター鏡石 フェザー
副理事長(兼チーフ) 徳永牧子