第36話 高校野球東北大会

 

明日から福島市の2球場で、秋季高校野球東北大会が開幕する。

福島県からは、①聖光学院高校、②白河高校、③光南高校の3校が出場。

来年春の選抜出場をかけ、熱戦が展開される。

来年は特別に、東北から3校が出場する。

さらに、この秋季大会の優勝校が神宮大会で優勝し、21世紀枠に1校選ばれると、来年の選抜に東北から5校が出場することになる。

これはすごい!

あり得ない事を現実にする力が高校生にはある。

期待しよう。

聖光学院高校野球部の横山部長に、大会への意気込みを聞いた。

「このチームは、自分達が弱い事を認識してから強くなろうと努力するようになった。
先ずは一戦必勝で行くだけ。結果は後からついてくる」

「被災地の学校ではあるけれど、震災を背負って戦うとか、そんな不遜な考えはない。

ただ今年の2年生には本当に頑張って欲しい。

彼はら震災の時、中学3年生だった。

原発事故を受けて、入学をためらったはず。

しかし、ここにいる2年生は、命がけで親を説得して聖光学院に入学してくれた。

彼らの夢の実現の為に、我々コーチやスタッフが何をすべきかをしっかり肝に命じて、チームを作って行く」と。

弱さを認識して、強くなることに目覚めた、新生聖光学院高校野球部の戦いから目が離せない。 

第35話 月曜Monday (もんだい)夜はこれから

 

10月8日(月曜)夜7時から放送の「月曜Monday (もんだい)夜はこれから」は、スタジオに県骨髄バンク推進連絡協議会の志賀としえさん(40)を迎えてお送りする。

テーマは「命の尊さを考える」

志賀としえさんは、宮城県気仙沼市出身。

東日本大震災による津波で、両親と義理の姉の家族3人を亡くした。

気仙沼の兄は両親の漁業を継ぐため仕事を辞めた。

志賀としえは22歳の時
、急性骨髄性白血病を発症、その2年後 骨髄移植を受けた。

拒否反応に3年以上苦しんだ。

今は同じ病気で骨髄移植を受けたパートナーと結婚し、里子(男の子)を育てている。

現在は、震災での経験を通して感じた家族の大切や、骨髄バンクの必要性、命の尊さなどを講演会で積極的に訴えている。

骨髄バンクや骨髄移植の必要性を志賀としえさんは「どんな名医でも白血病は医者だけでは救えない。
しかしたった一人の人間が誰かの命を救えることがある。それが骨髄移植。その為に骨髄バンクの充実が不可欠」と話す。

10月8日(月曜)は、骨髄バンク全国協議会会長の大谷貴子さん。

会津美里町の車椅子のエッセイスト・大石邦子さんにも電話でお話を伺う。

月曜日の夜7時から放送する「月曜Monday ( もんだい)夜はこれから)は、ユーストリームを通して、音声と影像を世界中に発信。
 
県外の方は、パソコンかスマホでお聴きを。
 

月曜Monday 夜はこれから(10月8日)
http://www.ustream.tv/recorded/26007493
 

第34話 泰勝久さんとキクボウタイムス

 

郡山市喜久田町商工会の新聞「キクボウ・タイムス」は、今年創刊10周年を迎えた。

編集長は鍼灸院を営む秦勝久さん(63歳)。
秦さんは先天性の病気から弱視で、現在はほとんど見えない。

年15回発行している「キクボウタイムス」の取材は、編集長の秦さんと手引きをしてくれる支援者(運転と写真撮影)の二人で担当。

取材から帰ると、秦さんの記事の口述筆記と写真の整理を、鍼灸院の職員がボランティアで協力してくれる。

新聞の発行部数は4000部を超え、取材や記事掲載の依頼(郡山市や大手スーパーなど)も多く、取捨選択が一番難しいという。

これまでは、喜久田町のイベントやお祭り・学校の情報など地域の話題が中心だった。

しかし最近は、除染に関するアドバイスや講演会などの情報をはじめ、浜通りから避難している住民との交流会の案内など
を積極的に取り上げている。

秦さんにこれからの夢を聞いた。

秦さんは、「地域新聞全国大会 を喜久田町で開き、福島県の現状を全国に発信したい」と話してくれた。

見えないからこそ、見えるものがある。
心の目を開きなさい

そう秦さんから学んだ思いがする。

第33話 日刊イトイ新聞

 

涙を越えて、生きて行こう!

永田泰大(やすひろ)さんの記事「書きかけてやめた、福島のことを、もう一度」を読んで、強く思いました。

糸井重里さんが発行しているインターネット情報誌「ほぼ日刊イトイ新聞」の、8月14日(火曜日)版をぜひ、ご覧ください。

今年3月5日(月曜日)
にコピーライターの糸井重里さんと南相馬市、相馬市を取材した時の様子を、同行したジャーナリスト・永田泰大(やすひろ)さんが魂を込めてまとめたもので、心の底に突き刺さってきます。

同行取材した、毎日新聞元科学環境部長・斗ケ沢秀俊(とがさわひでとし)さんのTwitterを通して、この記事が今全国に広まり、かなりのアクセスと反響があるようです。

永田泰大さんの文章を通して、この震災の被害の大きさ、命の大切さ、原発事故の不条理さが、悲しい事実とともに、あらためてよみがえってきます。

永田さん、取材した3月5日(月曜日)は雪が降っていて、寒かったですね。

私が強行スケジュールを組んだ為、お昼を食べる時間もありませんでしたね。

また、今回この文章を発表するにあたり、永田さんには心の葛藤がかなりあったと伺いました。

このような感動的なレポートにまとめてくださった、永田泰大さん、糸井重里さん、斗ケ沢秀俊さんに心から感謝致します。

地域メディアのアナウンサーとして、福島の現状を、外に向かって発信する事の限界を感じている私にとって、永田さんの言葉は、力強い応援メッセージに感じました。

人に寄り添うには、マイクもカメラも必要ないようです。

糸井重里さんのように、心で話を聞く事だと、あの時教えて頂きました。

本当に、ありがとうございました。

第32話 菓子工房渡部垂れ幕

 

南相馬市小高区の「菓子工房渡部」は先月、復活を誓った垂れ幕を店舗に掲げました。

「菓子工房渡部は、小高区民とともに必ず復活」

今年4月16日に警戒区域が解除された南相馬市小高区。

電気は少しずつ復旧しているものの、上下水道は早くて平然25年度の復旧を目指すとしており、現在住民が住める状態ではありません。

いつになったら故郷に戻れるのか。

震災から1年6ヶ月が過ぎ、帰郷の思いが萎えかけている住民にとって、地元に愛されてきた「菓子工房渡部」の垂れ幕と看板の故郷を愛するメッセージは、諦めかけていた帰郷へ思いを甦らせてくれるものとなっています。♪ヽ(´▽`)/