浪江町

第690話 大竹まことさんと②

 
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福島県双葉郡浪江町。最大の犠牲者を出した請戸地区。

140人が亡くなり、1人が行方不明になっている。

請戸地区の入り口に、殉職警察官の慰霊碑がある。

震災から1ヶ月後に発見されたという。

煙草好きだった彼の為に、大竹さんは自らの煙草に火をつけ、慰霊碑に手向けた。

請戸地区は住民の一人であるシンガーの門馬よし彦さんが案内してくれた。

「ここが僕の自宅でした」門馬さんの家は海岸まで20歩。堤防の真下にあった。基礎しか残っていない。

南に6キロ地点には、東京電力福島第一原子力発電所の5号基、6号基の排気搭が見える。

「震災前は、住宅や森に囲まれ原発は見えなかった。だから、原発を意識した事は無かった」と門馬さんは語った。

浪江を出る時に、スクーリングを受けた。

いつも思う、スクーリングは、キリストが磔になる十字の形だと。

第671話 浪江町請戸にて

 
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10月21日(月曜)、映画監督の古波津陽(こはつよう)さん、田村市出身の女優佐藤みゆきさん、カメラマンの柏崎佑介さんと一緒に浪江町請戸を取材した。

請戸は漁業の町。太平洋の恵みと共に生きてきた。

津波で100人以上の住民が亡くなり、今も10人が行方不明となっている。

請戸港から南へ七キロには東京電力福島第一原子力発電所の排気搭と建屋が見える。

原発事故の影響で、警戒区域が解除されたのは、今年の4月1日だった。

津波の被害がそのまま残る請戸地区。原発事故で行方不明者の捜索が大幅に遅れた請戸地区。

この地に立って、映画監督、福島出身の女優、カメラマンの3人は何を思ったのだろうか。

11月4日(月曜)夜7時から放送の 「月曜Monday ( もんだい)夜はこれから」では、この日の取材を振り返って古波津陽監督、女優の佐藤みゆきさん、カメラマンの柏崎佑介さんにお話を伺う。

番組は、ユーストリームで世界中に音声と映像を発信中。

県外の皆さんは、パソコンやスマホで視聴できる。

『月曜Monday 夜はこれから!』(ラジオ福島)
【ustream】 月曜 19:00~20:50
 http://www.ustream.tv/channel/rfc-radio
【facebook】
 https://www.facebook.com/Monday1458
  

第662話 佐藤みゆきさん③

 
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浪江町を出る前にスクリーニング(外部被曝線量を計る)を受けた。佐藤みゆきさんをはじめ、取材スタッフは2マイクロシーベルト以下の被曝量だった。

全く問題ない数値だ。

このあと相馬市役所に立谷秀清市長を訪ねた。市長には、相馬の復興状況を伺った。立谷市長は丁寧に相馬市の現状と復興への思いを熱く語った。

どうやら、佐藤みゆきさんを気に入ったらしく、最後に「あなたは女優としては花開かないから、相馬に住んでここで花開かせなさい」と、訳のわからないラブコールを送っていた。

最後に、相馬市の防災倉庫に向かった。

一万人分の食料が3日分備蓄してある。米や水、缶詰や毛布等、物凄い物資の量だが、これで一万人が3日間しか持たないのかと思うと 、防災倉庫の限界を感じる。

やはり、各家庭で防災対策をきちんとし、物資の備蓄をする必要性をつくづくと感じた。

相馬では10人の市消防団員が殉職した。

30代が多く、皆働き盛りだ。

研修室に掲げられた遺影に佐藤みゆきさんは、長い間手を合わせていた。

第661話 佐藤みゆきさん②

 
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今年4月1日に警戒区域が解除された浪江町に入った。この地区最大の津波の被害を受けた請戸。140人が亡くなり、今も10人が行方不明になっている。

港に続く道路にある慰霊碑に手を合わせ、請戸小学校に向かった。

海岸から300メートルしか離れていない請戸小学校の時計は、3時38分で止まっている。

大津波が請戸に押し寄せる運命の50分の間に、全児童と教諭は避難して無事だった。84名の児童の中には車椅子の子供もいた。請戸小学校の奇跡だ。

小学校の2階窓から6キロ南に東京電力福島第一原子力発電所の排気搭と建屋が見える。

佐藤みゆきさんは2階ベランダから原発排気搭を睨んでいた。

請戸小学校2階西側にある音楽教室で、請戸出身のシ ンガー・門馬よし彦さんがオリジナル曲「願い」を歌った。

故郷を想うその歌に、佐藤みゆきさんは涙を止める事はできなかった。

第660話 佐藤みゆき被災地を行く①

 
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10月21日(月曜)、映画監督の古波津陽(こはつよう)さん、田村市出身の女優佐藤みゆきさん、カメラマンの柏崎佑介さんと一緒に浪江町を取材した。

福島市から川俣町、そして全村避難の飯舘村に入った。

飯舘村役場前にある「村民歌」を奏でるお地蔵さんの前で、女優の佐藤みゆきさんはじっと立ち尽くして聴いていた。

「この美しい村を壊してしまった放射能が憎いですね」とポツリと言った。

手元の線量計は、0・53マイクロシーベルトを示していた。

南相馬市の道の駅で記念撮影。みゆきさんは、野馬追いの武者になった。