第662話 佐藤みゆきさん③

 
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浪江町を出る前にスクリーニング(外部被曝線量を計る)を受けた。佐藤みゆきさんをはじめ、取材スタッフは2マイクロシーベルト以下の被曝量だった。

全く問題ない数値だ。

このあと相馬市役所に立谷秀清市長を訪ねた。市長には、相馬の復興状況を伺った。立谷市長は丁寧に相馬市の現状と復興への思いを熱く語った。

どうやら、佐藤みゆきさんを気に入ったらしく、最後に「あなたは女優としては花開かないから、相馬に住んでここで花開かせなさい」と、訳のわからないラブコールを送っていた。

最後に、相馬市の防災倉庫に向かった。

一万人分の食料が3日分備蓄してある。米や水、缶詰や毛布等、物凄い物資の量だが、これで一万人が3日間しか持たないのかと思うと 、防災倉庫の限界を感じる。

やはり、各家庭で防災対策をきちんとし、物資の備蓄をする必要性をつくづくと感じた。

相馬では10人の市消防団員が殉職した。

30代が多く、皆働き盛りだ。

研修室に掲げられた遺影に佐藤みゆきさんは、長い間手を合わせていた。