第699話  大田原マラソンに向けて

 

 
星純平さんからの決意のメールです。

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視覚障碍者ランナーの星純平です。

日頃は、ラジオ福島をお聞きの多くの皆様から応援をいただきまして、誠にありがとうございます。

走り始めてから間もなく4年を迎えます。本格的にスポーツや各種芸事をされている方々に4年などと言う時間は短いのでしょうね。

しかし、僕にとってこの4年は長いとも短いとも言う事のできないとても密度の濃い4年間です。

視力を失って夢や希望など、未来に何一つ、自分への期待を抱く事のできない日々をおくってきました。手にしてきたものは失明と共に失われていきました。

自転車に乗る事も、友人との住む世界も一人での買い物や映画鑑賞や外食や…ただの散歩さえも失明は 僕から奪い去っってしまったのです。

それは見える世界だけではなく心にも暗闇をもたらしました。

言いようもない深い孤独に耐えられそうもない瞬間がありました。

やがて何もできない何もしない時分への理由や言い訳を全て失明と言う運命のせいにしてしまう、狡猾でだらしのない性格になっていったのです。

それは結局、自分自身を嫌悪する悪循環となって心を蝕み苦しむ結果となりました。

マラソンとの出会いはそんな自分自身と正面から向き合える絶好の機会を与えてくれたのです。苦しければ苦しいほど「目が悪いのによくやった」とだらしのない自分が囁いてきます。もう「目が悪いのだから…」とそんな言い訳をする自分に負けたくないと苦痛に耐えて走り続けます。

そしてゴールを迎えた時には、ほんの少しだけれども時分への誇らしさが心の中に暖かく感じる事ができました。

その温かさはやがて、絶望から希望を見つける力となったのです。

この力を見つけられたのは心あるご支援くださる方々の賜物と深い感謝で一杯です。本当にありがとうございます。

心よりの感謝を申します。

来る11月23日に開催されます、大田原市民マラソン大会(栃木県)に出場して参ります。

北京オリンピック マラソン代表の佐藤敦之選手は「挑戦し続ける人間に
失敗はない」と言いました。

意味には「失敗も経験。何よりも挑戦しない事こそ失敗なのだ」。

この言葉や伴走してくださった方々の言葉や、ご支援くださった方々の声を力に変 えて、自分に言い訳などせずに運命み立ち向かいマラソンに挑戦します!!

4年前、自分に絶望以外なかった心の中に自分に期待している心があるのは本当に不思議な感覚です。全くの他人が僕の心の中に住み着いてしまったみたいな感覚なんです。

それら絶望と希望は休む事無く日々戦い続けています。絶望の軍団員だった僕も今では、希望の軍団員となって戦います!! 敵は、運命・困難、そして我が心中にあり!

大和田アナウンサーに賜ります御祈願。禁酒!禁女!!これらを走る力に変えられるかわかりませんが…いやいや、全てを力に変えられなければ大願成就は叶わないでしょう。

御祈願、謹んで感謝申し上げます。しかしながらやはり禁女と言う汚れた力は応援くださる方々 のお力で清めていただきましてから賜りたいと思います。

何卒よろしくお願い申し上げます<(_ _)>

挑戦できる機会と挑戦する力を与えてくださいました方々、本当にありがとうございます。

それでは力の限り挑戦して参ります。 

平成25年11月18日 
星 純平