2023.9台風13号豪雨被害その後・第17報 令和6年能登半島地震
昨年9月の台風13号豪雨で被害をうけた、いわき市「自由空間」さんと南相馬市「ほっと悠」さん(2023.9支部HP)のその後の報告が届きました。
「自由空間」さんは土砂の流失で基礎部分が陥没、使用不能になったエアコンの室外機について、地盤の基礎工事とエアコン室外機4台の交換が、保険適用となり、今年度中に着工完了することとなりました。車内に水が入った車両の修理についても、保険適用で修理をしていますが、こちらは3ヶ月たった今も代車対応の状態です。
「ほっと悠」さんは建物への床上浸水被害について、建物のかさ上げ工事を進めています。その間、プレハブをリースし利用者さんの作業を進めています。災害時国庫補助金等は該当外で、1,000万円を超えるかさ上げ費用は、自己財源で捻出されています。きょうされん福島支部は、プレハブのリース費用を「きょうされん自然災害支援基金助成」で利用できないか、きょうされん本部と協議しています。
発災から半年が過ぎる中、両会員さんとも、たくましく前に進まれていますが、もうしばらく解決しなければならない問題に立ち向かいながら、がんばっています。
2月14日、きょうされん支部長事務局長会議が、リモートでおこなわれ、能登半島地震の会員事業所の状況が話されました。発災から50日がたち、被災された能登の会員事業所さんは、命を救う緊急の状況から、日常を取り戻すため事業所の開所に向けて動き出されたようです。きょうされんは、次の支援の方向が定まるまで、当面募金活動に取り組むという方針を示しました。被災した会員事業所の再開にむけての支援がおこなわれます。くわえて私たちは、「どこともつながりがなく、孤立しながら、困難な状況が続いている障がいのある人たち、生きづらさを抱えた人たち、もいるのではないか」とも思っています。
今、被災した事業所さんには、「施設設備の復旧への財源」「事業所の給付費(報酬)」についてが、課題となっていると福島支部支部長よりお聞きしました。命を守る時期から、日常を取り戻そうとする時期に、福島の会員さんたちも同じ経験をしました。福島の経験を載せたいと思います。
「施設設備の復旧への財源」ですが、・国には大きな災害時には「社会施設等災害復旧国庫補助金」というものが県や中核市を通して通知されます。時間がかかっている場合もあるので、自治体に問い合わせてみてもいいかと思います。全額ではありませんが、額はかなり大きくても出ます。ただし、大きな問題があります。・賃貸物件の場合・移動しての復旧の場合・現状復帰以外の復旧の場合は、原則対象から外れます。たとえば、建物の名義が法人以外だったり、津波の被害のない高台に移転したり、地面に置いたエアコンの室外機を二階にあげたり、グループホームの居室を二階に変更したり・・。申請、採択、復旧完了報告にかなりの時間と書類や協議が必要な場合が多く、完了後にお金が入ってくるという形が原則となります。自治体と血が通った協議かできるか否かによります。・きょうされんにも「自然災害基金助成金」というものがあります。これは全国が募っている募金から、施設設備の復旧に限らず、被災事業所の運営資金等に助成するお金です。公にくらべ縛りは少なく、申請報告も簡素ですが、全国から被災支部や事業所に案内が配られるというより、支部から問い合わせやお願いをして、全国事務局が常任理事会に報告、常任理事会にかけ、決定を仰ぐというもので、支部がそれらを知らないことがほとんどなので、被災事業所は、どうやってお金を用意するか、不安なままということがあります。・次は災害支援民間団体の助成金です。福島は「AARJapan」に寄付された団体(ドナー)さんからの助成や「ゆめ風基金」に寄付された助成に救われました。すでに石川支部さんとAARJapanさんとは、つながりがあるので、寄付団体があれば、即動いてくれます。ゆめ風基金さんは、金沢に支援の拠点を置く相談を発災数日後には、金沢の事業所さんたちとしたことをお聞きしました。こちらは、「ゆめ風基金被災地支援助成要項」と助成の申請用紙A4版1枚程度のものが常時あります。AARJapanより早いですし、先にお金を入れてもらうことも必要なら可でした。・今回の能登半島地震は、激甚災害として指定された大災害です。おそらく「日本財団」や「ヤマト福祉財団」等々、障がい関係を応援してくれていている一般の助成団体からの助成の要項がではじめると思います。その間に必要な資金を支部への支援金や被災会員への見舞金で、福島はまかなっていました。付随してですが、福島は車両被害で送迎等ができないことが、今まで何度もありました。その際、全国にきょうされん会員から、走れる廃車予定福祉車両、使ってないリフトカー、貸してもらえる車を提供してもらい、その間に24時間テレビリフトカーや日本財団車両の申請等をしてきました。約一年貸して頂いたこともあります。この窓口やコーディネートを全国事務局にお願いしました。持ち込みや帰る際の経費等を自然災害基金から出してもらったり、支部で全国の会員さんから直接届く支援金でやりくりしていました。
ここからは、きょうされん全国への要望ですが、被災支部はいっぱいいっぱいなので、支部と情報共有はしながら、これらの調整を全国にお願いすることが一番だと思っています。全国は、福島からの強い要望で、過去、ゆめ風さんやAARJapanさん等他団体と調整しながら、なんらかの助成金で、被災した事業所が取り残されないようにしてださったこともあります。「そうやって動いてくれている、被災した事業所が最終的にどの助成金にお世話になるかは別にして、こういったものを使えそうだ」と思っただけで、先への見通しや光が見えてきます。ですから、できるだけ早く希望の光となるようは、きょうされん災害対策本部から石川のみなさんに示してほしいと思います。
「事業所の給付費(報酬)」については、契約利用者の利用した日数や利用者に支払われた工賃額によって事業所に給付費が支払われる仕組みになっているため、事業所に通えなかったり、仕事の収益が無くなってしまったりすると給付費は減ることになります。が、災害時事業所が使えなかったり、利用者が避難していたり、取り組んでいた作業仕事が無くなってしまったりする中、東日本大震災以降、熊本地震、西日本豪雨や秋田豪雨等、災害で事業所を開所することができなくとも、利用する仲間の安否確認や、支援を避難所など事業所以外でもする場合、給付費を請求することができるようになっています。コロナ以降の対応に重なる部分です。ただ様々なケースがあり、自治体によって解釈が異なり、利用者がこれるこれない以前に開所していてることを前提とする自治体。欠席時対応加算に準じるとする自治体。安否確認や事業所外支援の報告を決まった様式で求める自治体等々。のケースがあります。しかし、熊本でも、秋田でも、報酬を出してもらった経緯があるので、その前例を説明しながら、石川の市町村と話すようになると思いますが、そういった時こそ、全国の出番だと思います。また、事前にこういった情報を全国から提供してもらえれば、安否確認や避難中の支援の記録を残すとか、やっておいた方がいいことをやっておけると思います。きょうされんのHPに国からの通知等が載せられているので、きょうされん全国は今回の能登半島地震の国の扱いも把握しているはずです。災害で壊れたり使えなくなったりしたものをどうするかに加え、給付費もでないのでは、立ち上がれません。災害やコロナ過など緊急な時に、困った人たちを困った事業所を救える福祉施策であってほしいと、きょうされん福島支部は強く思います。