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あれから4年 またあの日がやってきます。

category : fukushima, news 2015.3.10 

あれから4年 またあの日がやってきます。

春らしい優しい日差しを感じると「あのときの事」を思い出します。

必死の覚悟で駆けつけてくださったみなさまのおかげで
いつも心配してくださったみなさまのおかげで
私たちは、ふくしまは、折れそうになる心も体も救われ
何とか今日まで歩いてこれました。
ありがとうございます。

一刻を争う緊急的なあの状況を脱し
ふくしまの地で、仮設で、借り上げで、新たな土地で
今、それぞれが、それぞれの生活をしています。

あの日から少しでも前に進もうと
日常と呼べるものを確かなものにしようと
夢や目標を再び持って生きようと
今、それぞれが、それぞれの生活を1日1日生きています。

4年経ってもまだ続く仮設暮らし

4年経ってもまだ続く仮設暮らし

高台に建設中の住宅

高台に建設中の住宅

前進なのでしょうか。進んでいるのでしょうか。
複雑な気持ちで迎える五回目の春です。

私たち、きょうされん福島支部は、原発は動かすべではないと強く思っています。
鹿児島県川内原発に続き、福井県高浜原発が再稼働に向かっています。
悲しみ、怒り、絶望が心の中を埋め尽くしてしまいます。
あの事故で、ふくしまの障がいのある人たちが、弱い人たちがどんな思いをしたか、
そして、今もどんな思いをしているのか、
どんな策を打っても、なんとか前に進もうとしても
次から次と理不尽な困難が押し寄せてくる。それが、原発事故だと思い知らされています。

帰還困難区域・かつての田畑はすすき野に

帰還困難区域・かつての田畑はすすき野に

居住制限区域・津波被害も手つかずのまま

居住制限区域・津波被害も手つかずのまま

バリケード封鎖の居住制限区域

バリケード封鎖の居住制限区域

福島第一原発で分断された国道六号線が開通し、除染や工事の車両がひっきりなしに走っています。常磐自動車道も原発周辺の工事が急ピッチで進み、福島第一原発のわきを通り首都圏から仙台まで直接いけるようになりました。
汚染された地面の土や植物を剥ぎ取り、コンクリートや屋根や雨どいを洗い落とす除染作業が県内の多くの市町村で盛んに行われ、てでくる放射能廃棄物が仮仮り置き場に集められたり、敷地の中に埋められたりしています。
警戒区域と呼ばれた戻れない地域が、「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の三つに分けられ、それらの地域でも除染作業がおこなわれ、「避難指示解除準備区域」の避難指示解除が進み始めています。コンビニが再開し、ごったがいしています。

それでも、福島県はまだ120,009人の県民が避難しています。
県外にもまだ47,219人の県民が避難しています。
あの日から4年が過ぎた今でも、これだけの人たちが自分の家に帰れないのです。
震災関連死という、避難の途中や避難生活が原因で亡くなる方が1800人を越えました。福島県のこの数は、津波や地震で亡くなった直接死を超える数です。岩手、宮城、福島被災3県で福島が突出しています。

これが、原発事故です。

道路が通り、店が開き、人が家に帰れるようになる。
みんなが望んだことです。
しかし、県外からの除染作業の人たちで渋滞する道、除染作業の人たちでごったがいする店、年寄りや障がい者だけが戻る故郷の家。複雑な思いでいっぱいになります。

 

自宅敷地などに山積みの除染による放射性廃棄物

自宅敷地などに山積みの除染による放射性廃棄物

自宅敷地などに山積みの除染による放射性廃棄物

自宅敷地などに山積みの除染による放射性廃棄物

自宅敷地などに山積みの除染による放射性廃棄物

自宅敷地などに山積みの除染による放射性廃棄物

仮設で暮らす高齢者や障がい者は、帰れるようになって故郷の家に帰る。「仮設で死にたくはない」「仮設では無理だ」そういって帰ろうとしています。若い人たちは帰らない。幼い子供が心配だから。仕事がないから。帰った高齢者や障がい者を支える医療や福祉は、致命的人不足が続いています。県社協が支援センターふくしまマッチング事業を引き継ぎ推し進め、必死に県外からの人材確保に取り組んでいます。県社協のHPにはこんな呼び掛け文がありました。「介護職員の人材不足がこれ以上続くと、利用者の生命を脅かす可能性がある」と。
高齢者福祉(介護報酬)の大幅な引き下げがしめされました。障がい分野も、震災後、障がいの重い人たちを支えてきた生活介護事業所の報酬は下げられ、彼らの仕事がなくなったふくしまが思い知らされた仕事の意味とは重ならない工賃アップと加算の仕組みや、人が来ない福島が進める「働きながら学ぶ仕組み」とは重ならない福祉専門職加算の仕組みがしめされました。
それでも、新たな一歩を踏み出すために、増え続ける仲間を受け入れるため、新事業所を建設した相双地区の事業所「アクセスホームさくら」さん「あさがお」さん。グループホームの増設を続けた「ひまわりの家」さん。覚悟を決めるまでの並々ならぬ苦労に加え、原発事故の後始末で、建設現場も深刻な人不足と資材の高騰が襲いかかり、工期の遅れと費用の増加といった大きな壁が立ちはだかりました。

除染で発生した放射性廃棄物の仮仮置き場

除染で発生した放射性廃棄物の仮仮置き場

除染で発生した放射性廃棄物の仮仮置き場

除染で発生した放射性廃棄物の仮仮置き場

除染で発生した放射性廃棄物の仮仮置き場

除染で発生した放射性廃棄物の仮仮置き場

原発事故の後始末には、12兆円ともいわれる想像できないお金がつぎ込まれています。
しかし、それでも「あの事故の前」には、何度も何度も立ち向かってもなかなか戻らない。

これが原発事故です。

きょうされん福島支部の会員事業所は、全国からの励ましや手助けを受け、
障がいのある仲間と一緒に、この1年もなんとかやってこれました。
震災から4年、希望や夢をとりもどそうと頑張ってきました。
本当にありがとうございます。
きっと、これからも多くの困難にぶつかると思います。
明日からまた
苦しくとも、揺れ動いていても、すべてがうまくいくわけでなくとも、
進むべき方向を決め、歩いていかねばならないと思っています。

また1年、伝え続けます。
仲間や職員や家族の笑顔、作業での出来事や家での出来事。
小さな幸せを感じ積み上げながら過ごしていきます。
どうか、ふくしまを見続けていてください。

2015年3月10日
きょうされん福島支部
支部長 和田庄司

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・3/11 東日本大震災から4年 ~被災地のいま~
・3/11 【声明】東日本大震災から4年を迎えるにあたって

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