みなさん、お疲れ様でした。
作業所での地震・津波・原発事故との格闘で、若い人たちも中堅どころも、古い人たちも顔を合わせることがなかなかできなかったので、久しぶりに貴重な時間でした。
震災後のふくしまの姿は、大切なものを考えさせる、貴重な提言です。二日間丁寧に気さくにお付き合いしてくれた西村きょうされん理事長、設楽 前、福島県自立生活センター協議会代表 両名様、本当にありがとうございました。
いつも福島に寄り添い、心にとどめてくださる西村理事長から研修後、届いたエールを載せます。
「全国大会成功の元気と勇気はみなさんの心の中に財産として残っているはず……」私たちは、これを守り育てていかねばと再び感じさせてもらった研修会でした。
報告者:教育・研修担当 杉原正博
去る平成27年1月17日(土)、18日(日)の2日間、きょうされん福島支部主催の研修会が開催されました。
今回のテーマ「あれから四年 私たちがこれからも大切にしなければならないこと」のもと、13施設32名の方が磐梯熱海清稜山倶楽部に参集し、二日間に渡り、研修を行いました。第一日目の報告をしたいと思います。
第一日目は福島支部長、和田庄司さんのご挨拶のあと、【講座Ⅰ】、きょうされん理事長 西村直さんが基調報告として「今この国はどう進もうとしているのか そして私たちは」という演題で講演をして下さいました。昨年7月の総選挙は集団的自衛権の閣議決定や生保基準引き下げが始まった日、また病床転換の試行事業が始まった日として、わが国に暗雲が立ち込めた日であるとの認識や、社会福祉法人見直しの動き等、本質をそらして歴史的成果を評価する事なく、「制度の不満により起こった矛盾」をことさら強調し、取り上げ、実践成果を打消し、分断を持ち込むやり方だと分析しておられました。しかし私たちは障害者権利条約の批准を確かな羅針盤にし、先人達が闘いと運動の中で勝ち取ってきた憲法をはじめとした法律や制度のもと、ひとり1人を認め合い、大切にする制度や地域づくりのためにどうするか、全国の力でどっしりと構え、幅広い方々との連携した運動(世論づくり)をして行かなければならない事を教示して下さいました。
【講座Ⅱ】は「あれから四年 報告」として古市貴之さんが相談支援員として動いてきた経過とその内容を報告してくれました。また今後は圏域全体の福祉の向上につながるように貢献できるNPO法人を目指したいと話されていました。
二人目の報告として(有)ピパネット 代表取締役杉原正博が「ピーターパンデイサービスセンターのあゆみ」を語り、障がいが重い方の就労B事業の難しさ、就労の質の問題と工賃アップをいかにはかって行くか、話されました。
三人目の報告者はほっと悠の紺野正直さんに「ほっと悠 あれから四年 今思う事」と題して、デイサポートぴーなっつ石田広之さんの絶妙なインタビューのもと、思いを語って頂きました。念願であった1人暮らしが実現したことなど話されていました。
次のコマは講座Ⅱの3本のレポートを聞いて、「自分の事業所と重ねてキーワードを話そう」と言う、【グループワーク】を行いました。6つのグループに分かれ、3本のレポートを聞き、「印象に残った言葉」「よくわかる共感した言葉」「気にするすんなり受け入れられない言葉」をポストイットにそれぞれ書き、グループで議論し、それぞれグループごとに発表しました。中には議論が白熱し、1本のレポートだけを集中して討議したグループもあり、それぞれ活発に意見交換が行なわれ、有意義なグループワークを行なう事が出来たようでした。
最後に【講演】「当事者視点 あたりまえってなに」と題し、元ILセンター福島所長、前JDF被災地障がい者支援センターふくしまボランテイアスタッフの設楽俊司さんに当事者目線で、様々な体験を基にした思いを語って頂きました。今の法律の矛盾点や経済活動が出来ない利用者は厄介者的な構造になっている現在の自立支援法、工賃のアップというところだけを重視すると、障がいの重い方の人権、人間性の向上という、最も重要なことを見失う。「当事者が作り上げる」制度設計を!と訴えておられました。フロアーからも人間を労働力のみで価値判断する自立支援法の矛盾点を指摘し、設楽さんの考えに賛同を唱える意見も多く出、示唆深い有意義な講演でした。
こちらから 南相馬ファクトリーの同研修会の報告ブログにリンク(別ウインドウ)