福島第一原発事故により、今も全町避難をよぎなくされている「アクセスホームさくら」さんが、大きな一歩を踏み出しました。2011.3.11みんなが散りじりの状況の中から、二本松の「なごみ」のお店のとなりに作業所を開くことを決め、なんと半年をまたず夏に再スタートをした「さくら」のみなさん。
その「さくら」のみなさんが、なにをするにも苦しい判断、決断がせまられる中で、二本松市油井字福岡168-1へ、大きな広い作業所を完成させました。
「アクセスホームさくら」の渡邉理事長からの力強いメッセージです。載せさせてもらいます。
新たなスタート
この度、私たち念願の事業所が完成いたしました。東日本大震災から、3年7ヶ月が過ぎてしまいました。
思い起こせば、さくらのメンバーは全員が全国各地にばらばらに避難することとなり、「さくら」はもう終わりだと諦めた時期もありました。
それでも、さくらを信じて、再開を望んでくれた、利用者さん、ご家族、そして職員から力をもらい事業再開を果たすことができ、今年の夏で4年目を迎えることができました。
再開当初は、先の見えないなか何もかもマイナスからのスタートでしたが、今できることから取り組んでいこうと、みんなで困難を乗り越えてきました。そんな中でも、さくらの持前の元気と明るさでピンチをチャンスに変えることができ、長年の目標だった利用者さんの工賃倍増を達成することができました。
また、1名の利用者さんの一般企業への就職も果たすことができました。現在では、地元から4名の方が利用されています。
利用者さんも増え、事業所が手狭になり、作業環境の改善が必要になってきたことから二本松事業所として、前に進む決心をいたしました。
避難状態でありながら、このような事業ができることは、夢のようです。
これも、ひとえに全国からたくさんの方々に応援して頂いたお蔭と心より感謝申し上げます。
これからは、アクセスホームさくら二本松事業所として地域の福祉の資源となっていけるよう、職員一同役割を果たしていきたいと思っております。
まだまだ、課題はたくさんありますが、新たなスタートとして、さくら全員で取り組んでまいります。アクセスホームさくら 渡邊
11月1日に新作業所で行われた「アクセスホームさくら落成祝賀会」には、浪江町の馬場町長をはじめとする浪江町の多くのみなさんだけでなく、再スタートをきる二本松市のみなさんも大勢駆けつけていらっしゃいました。二本松での新たなスタートに、「さくら」のみなさんのおもいがたくさんつまっていました。
浪江町の馬場町長のお祝いの言葉の後、きょうされんの西村理事長のメッセージが読み上げられました。
メッセージ
特定非営利活動法人
アクセスホームさくら
理事長 渡邊 幸江様念願の! 悲願の! 待ちに待った!(やっぱりこれかな)新事業所の落成、ほんとうにおめでとうございます。
全国の仲間といっしょに、心から、力いっぱいの拍手を送ります。
たくさんの苦悩、戸惑い、迷い、悔しさをかみしめながら、みなさんで歩いてきた3年8カ月だったろうと思います。
二本松で作業所がスタートしてから何度かさくらにおじゃまさせていただきました。そのたびに渡邊理事長をはじめ、みなさんの明るい元気な姿に、希望と決意に満ちた力強さを感じていました。
今日の落成はそんなみなさんの確かな歩みの結果だろうと思います。しかし、まだ一つの通過駅、また次の駅へのスタートでもあるでしょう。
誰もが大切にされ認められる地域、差別や排除されることがない社会づくりにむけ、これからも共に歩いていきましょう。
アクセスホームさくらの仲間のみなさん、おいしくなったラスクがもっと売れるよう頑張ってください。もちろん、きょうされんTOMO市場の“東北物産展”でも、引き続き応援していきます!
アクセスホームさくらさんのますますのご発展とご活躍を心から祈念しています。2014年11月1日
きょうされん 理事長 西村 直
「さくら」のみなさんの夢と覚悟のいっぱいつまった新しい作業所。これからも簡単にいかないことばかりだとしても、きょうされんのみんなの応援が大きな力です。これからも一緒にがんばりましょう。