第660話 佐藤みゆき被災地を行く①

 
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10月21日(月曜)、映画監督の古波津陽(こはつよう)さん、田村市出身の女優佐藤みゆきさん、カメラマンの柏崎佑介さんと一緒に浪江町を取材した。

福島市から川俣町、そして全村避難の飯舘村に入った。

飯舘村役場前にある「村民歌」を奏でるお地蔵さんの前で、女優の佐藤みゆきさんはじっと立ち尽くして聴いていた。

「この美しい村を壊してしまった放射能が憎いですね」とポツリと言った。

手元の線量計は、0・53マイクロシーベルトを示していた。

南相馬市の道の駅で記念撮影。みゆきさんは、野馬追いの武者になった。

第659話 相馬東高校生

 
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10月20日の相馬東高校文化祭で見つけた、とびっきりのギャル(もう死語でしょうか)。

コスプレもいいけど、笑顔が最高!

聞くところによると、向かって左の美少女はPTA 会長のお嬢さんとか。

今、いわき市の県立好間高校に着きました。

また、美少女をさがしに、行ってきます。

あっ、その前にPTA の講演会だ。

第658話 円谷幸吉メモリアルマラソン結果報告

 

 
全盲のマラソンランナー・福島市の星純平さんが須賀川市で開催された「円谷幸吉記念マラソン」ハーフの部に出場し、ベストタイムで完走しました。

ご声援ありがとうございました。

星純平さんから届いた感動のメールです。全盲の星純平さんが、どれだけ長い時間パソコンに向かっていたかを想像してお読み下さい。

★☆★☆
日頃は、ラジオ福島をお聞きの多くの皆様から応援をいただきまして、誠にありがとうございます。

10月20日(日曜日)は須賀川市 円谷幸吉メモリアルマラソン大会(ハーフ)に出場してきました。

4月の茨城県土浦市で開催された国際盲人マラソン大会から、新たな伴走協力者を得てトレーニングを重ねてきました。本大会ではそのトレーニング効 果がしっかりとタイムに現れて欲しいと自身強く望んで迎えて出場しました。

当日朝目覚めてみると天気予報通りの雨模様です。大幅な自己ベスト更新を目指すためには厳しいレースコンディションになるであろうと不安が頭をよぎりました。

開催地の須賀川市には電車で向かいました。行き帰りの介助は渡辺国男さん(59)がお引き受けくださいました。渡辺さんは4月の盲人マラソン大会以降新たにトレーニング伴走者としてご協力くださっている一人です。毎週火曜日に私宅まで来てくださって毎回約20kmを共に走ってきました。4月の大会以降、渡辺さんとは距離では一番長く走ってきました。

車中では何故だか内食と外食の味付けについて語らうひと時を過ごしリラックスして向かいまし た。

渡辺さん本人もハーフ出場です。渡辺さんも頑張ってください!と強く願っていました。

郡山を過ぎた頃、伴走してくださる加藤将士さんから須賀川駅まで出迎えると連絡をいただきました。

天候にお気遣いくださっての事です。

本大会の伴走者をお引き受けくださったのがこの電話の主の加藤将士さん(29)でした。

郡山自衛隊勤務。震災では不眠不休の激務。そして2年前に須賀川市を襲った猛雨。市内は水没してしまいました。その時にボートでお年寄りを救出する自衛隊員の姿が写真と共に紹介されたそうです。それが救助任務を遂行する加藤さんの姿でした。

陸上選手としては、フルマラソン:2時間26分44秒ハーフマラソン:1時間8分40秒。10km:30分44秒。5km:14分46秒 。

素晴らしく優れた実績の持ち主です。

大会前には2度も福島市に足を運んでくださってトレーニングをしてくださいました。

その責任感と熱意を持たれた人柄に深い感謝と強い信頼を短期間にきつく結ぶ事ができました。そのお蔭で安心して大会に望む事ができた事には感謝で一杯です。

この加藤さんをご紹介くださったのが須賀川で花農家を営んでいる和田さん。そしてその和田さんに伴走者急募の話をしたのが大和田アナウンサーです。和田さん大和田アナウンサー、ご支援をありがとうございます。

会場では和田さんの出迎えをいただきました。和田さんは大会運営者として奔走されていました。これから花火を上げるとの事です。

須賀川アリーナには、僕が3年6か月前 に初めて走ったこの円谷ハーフマラソンの時からお世話くださっている鈴木さん夫妻が準備の場所を確保して待ってくれていました。

鈴木さんは須賀川市できゅうり農家を営んでいます。そこには鈴木さんのランニング仲間が県内外から集まってきていました。

開会式後、須賀川市長から激励をいただきました。市長から特別にと須賀川の父であるからと言ってウルトラマンの父の指人形をいただきました。

須賀川はウルトラマン誕生の地です。ウルトラマンの様に速く走りたいなぁ ん!? 

ウルトラマンは速く飛ぶんでしたっけ?

スタート10分前。和田さんの打ち上げた花火の音が会場に響き渡りました。

加藤さんも「緊張してきた」と。その言葉で僕は本当に強い責任感を 持った人なのだと改めて感じました。加藤さんの緊張は紛れもなく僕を気持ちよく走らせるために感じているものだからです。

「よろしくお願いします」と、握手を交わして互いにこれから始まるレースへの意気込みを伝えました。

そしてスタートです。

スタート直後のランナーがひしめき合う間、伴走者は気が抜けません。周辺のランナーに僕がぶつからない様にサポートしながら走っていきます。

雨の影響で道のあちらこちらに水溜りができているようです。それと横断歩道などの白線、側溝の金属の蓋などはとても滑りやすくそれらを避けられない僕を加藤さんは言葉で態度で丁寧に誘導して走っていきます。

終止、加藤さんは「自分を信じて」と激励を繰り返してくれます。そし て力の入れるタイミングから抑えるタイミングを本当に丁寧に僕の状態を把握しながら支持し伴走していきます。

16km過ぎ、少しペースが落ちてしまった様です。加藤さんから「美人のお姉さんが応援してくれていますよ」とアッパーなメッセージが!! 

僕は「竹内裕子似だろうか?」などと一瞬苦しさを忘れて想像の世界に。後程加藤さんに聞いたのですが、このメッセージはスタート前に加藤さんと大和田アナウンサーとの電話のやり取りの中で大和田アナウンサーに伝授(?)されたものだったと聞きました。

とても不本意ですが、一瞬でも苦しさから離れられたのは事実。大和田アナウンサー、ナイスアドバイスでした!

さてレースも残すところ3kmまできました。「ラストは鬼 になりますから」と加藤さんに宣言されていましたが、「前にペースの落ちたランナーがいますから食っていきますよ」と加藤さん。

鬼と言うよりは羊狩りを楽しむ狼の様でした。僕も期待に応えようと盲目の狼に。

左前方に2~3人の足音が聞こえています。「行ける」と何度々も加藤さんは檄を飛ばしてくれます。

3人4人と抜き去りラストコーナーを曲がりました。残り150m。僕の右隣のランナーとスパート合戦になりました。加藤さんの「ラスト!」和田さんの声も聞こえてきました。そして何より自分の自分に対する「頑張れ」の声が聞こえました。

タイム:82分15秒(前同大会は88分38秒)。何と6分以上も更新です。

僕は息を整えるのに一杯一杯ですが加藤さんや 和田さんが興奮しています。

どうやら目標にしていた82分台を出せたようです。記録票を受け取り82分の前半を出した事を確認できました。加藤さんに握手を求め深い感謝をのべました。

記録が出ると重い体も誇らしいものです。加藤さんが知り合いのランナーと話しているのが聞こえてきました。「本当に感動するからお前も絶対にやってみるべきだよ伴走。できる力を持っているんだからさ」その加藤さんの言葉と優しく強く熱い人柄に僕は汗でごまかしながら涙していました。

和田さんの打ち上げた大会終了の花火の音が鳴り響きました。

その音は来月11月23日に出場する栃木県 大田原マラソン(フル)に向けての激励の様に僕には聞こえました。三度目の正直。「必ず3時 間をきってやる」と、自分自身への闘志を確認しました。

渡辺さんも無事完走。鈴木さんの接待で温泉で汗を流しお好み焼き店で打ち上げをしました。皆それぞれに目標を掲げ向かっていく意欲を聞き、挑戦する事の素晴らしさを感じてきました。

加藤さんは来月開催の福島駅伝須賀川市代表として走ります。

応援してます。

須賀川駅で電車を待つ間、渡辺さんはこう話してくれました。「星さんをトレーニング伴走し続けると言う目標ができた。60歳を過ぎても5kmは20分を切り続けたいなぁ」。これほど頼もしく熱い言葉があるでしょうか。感謝ばかりで申し訳ないです渡辺さん。毎週毎週、本当にトレーニングをありがとうございます。

北京オリンピックマラソンマラソン代 表の佐藤敦之選手から電話をいただきました。「好タイム! 本当に我が事の様に嬉しいです。大田原につなげてください」。
 
電話の声は本当に嬉しそうで暖かい気持ちに包まれました。2年に渡り行っていただきました檜原湖合宿のお蔭です。ありがとうございます敦之選手。引き続きご支援をよ
ろしくお願い申し上げます。

下記は加藤将士さんからのメールです。
『今日はお疲れ様でした!素晴らしい走りでした。本当に感動しました。しびれました。僕自身とても良い経験をさせていただきました。ありがとうございました!ただ、これは純平さんのサブ3への通過点です。ぜひ今回の走りを自信にして、本番の大田原マラソンで目標達成に向けて頑張ってください!』

視力を失って 人にあたまをさげてばかりの日々でした。同級生と飲みに出ても手を引かれ様々な介助を受けます。「どうして僕はこう言う運命なのだろうか」と思ってしまいます。健常者の友人が妬ましくもありました。「申し訳ない」「すまない」など事あるごとに頭をさげなければなりません。しかしそれは儀礼的にしていたから嫌気がさしていた事に気がつきました。

マラソンを通して知り合えたご支援くださる方々。こんな心から感謝のできる人々との出会いは人生において、とても幸せな事なのだと知る事ができました。

「ありがとうございます」と、心から頭をさげてそう言える人々に支えられて感謝で一杯です。
皆さん、本当にありがとうございます。

本大会でも、伴走をして下さいました加藤 将士さんをはじめ、多くの方々のご支援により、走らせていただきました事、心より感謝申し上げます。

引き続きのご支援ご声援を、よろしくお願いいたします。

星 純平

第657話 相馬東高校文化祭

 
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相馬市にある相馬東高校文化祭「東陽祭」が20日(日曜)に行われ、津波で壊れて修復された、いわき市薄磯の豊間中学校のピアノによる「奇跡のピアノコンサート」が開催されました。

縁があって今年4月21日、相馬東高校で講演会を行いました。満開の桃の花に雪が降り積もる寒い日でした。

被災地のど真ん中にある相馬東高校で、私が講演してもいいのか、当日まで悩んでいました。

家を流され、家族を失い、原発事故の影響で、避難生活を強いられている生徒さんの前で、私が震災を語る資格があるのだろうかと。

その気持ちは、講演が終わってからも変わりませんでした。

1週間後、相馬東高校から分厚い資料が送られてきました。それは、私の講演を聞いての生徒さ んからの感想文でした。

そこには、震災を乗り越え、前を向いて進もうとしている若者達の熱いメッセージが綴られていました。高校生からもらった感想文は、私の宝物です。

その感想文の中には、私が講演の中で話した、豊間中学校のピアノに会いたいというメッセージが多く含まれていました。

その事をピアノを修理したいわき市の調律師・遠藤洋さんに話したところ、「ぜひ、このピアノで相馬東高校の生徒さんに校歌を歌ってもらいましょう」と仰って頂き、この日のコンサートの開催となりました。

コンサートでは、相馬東高校の校歌をはじめ、嵐の「ふるさと」「花は咲く」「未来へ」等が披露され、澄んだ歌声が体育館に響き渡りました。

涙を流しながら聴いていた遠藤洋 さんは、「相馬東高校の生徒さんやPTA 、教師の皆さんの歌に感動しました。ピアノがとても喜んでいます。修理して本当に良かったとおもいました。ありがとうございました」と、声をつまらせて話してくれました。

第656話 ベストタイム

 
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全盲のマラソンランナー・福島市の星純平さんが、ハーフでベストタイムで完走しました。

タイムは、82分15秒でした。

伴走してくれたのは、郡山自衛隊の加藤将士さんでした。素晴らしい方です。

加藤さんだから、達成できた記録です。

ありがとうございました。

次回は、11月23日。大田原市マラソンです。

ここで、フルマラソンを3時間切ります。宣言します!(誰が、走るんだ)

期待しましょう!