第590話  命のコスモス

 
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この震災で、いわき市最大の犠牲者を出したいわき市平薄磯地区。津波で110人が亡くなり、今も10人が行方不明になっている。

当時10歳だった小学校4年生の鈴木姫花さんも犠牲になった。

姫花さんは絵を描くのが大好きで、将来はデザイナーになるのが夢だった。

姫花さんが最後にいた、父・貴さんの実家は今は、土台しか残っていない。

先日の台風のせいだろうか、基礎の中には水が溜まっている。

そして、その手前には秋桜が咲いている。

この写真は、姫花さんの父・貴さんが送ってくれた。

写真に関する貴さんのコメントは、いっさい書かれていなかった。

写真を見た人が、それぞれに感じて 欲しいという願いなのだろうか。

私にはこの秋桜が、天国の姫花さんから両親へのメッセージに思えてならなかった。

「毎日、この場所に手を合わせに来てくれてありがとう。私は天国からいつも家族の幸せを祈っています」と。

合掌。

第589話  負けて知る

 

 
聖光学院高校野球部の公式戦連勝記録が、95でストップしました。

止めたのは日大東北高校です。

勝つ事を義務付けられてきた聖光学院高校野球部にとってこの負けがどういう意味を持つのかを、斎藤智也監督に伺いました。

斎藤監督は「勝ちにこだわってきたチームが忘れていた大切なものを、この敗戦は教えてくれました。負けたチームへの思いやりや尊敬の念を。

相手を敬い、強さと優しさと思いやり兼ね備えたチームを作っていきます」と。

来年春選抜につながる秋の東北大会(岩手県で開催)には、福島県からは日大東北高校、須賀川高校、聖光学院高校の3校が出場します。

第588話  ありがとう高校生

 
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障害者の祭典、「きょうされん全国大会」が無事に終わりました。

多くの皆様に支えられて。

特に、地元の高校生の力が大きかったようです。

写真①は、歓迎のプラカードを持つ日大東北高校の皆さん。暑い中、着ぐるみにも入って、参加者を迎えてくれました。

写真②は、いわき市薄磯は豊間中の「奇跡のピアノ」で、障害者の皆さんと一緒にkiroro の未来へを歌う、いわき海星高校の女子生徒二人。

写真③は、ステージが終わり、母校の豊間中の「奇跡のピアノ」の前で、ホッと一息つく小名浜高校フラガールズのメンバーのまことさん。

この椅子は、震災の年の紅白歌合戦で、嵐の櫻井翔さんが座ってピアノの伴奏をしたものです。

その他、いわき市の、東日本国際大学附属昌平高校の皆さんも、バス1台で応援に駆けつけてくれました。彼らは2日目には、いわきを視察した障害者の皆さんのサポートにあたっています。

個人で参加してくれた高校生も、たくさんいました。

高校生の皆さんに改めて、感謝です。ありがとうございました。

福島の若者達は、最高です。

第587話  とうほく彩発見

 

毎日新聞東北版「とうほく彩発見」に、「きょうされん全国大会」を書きました。

掲載は、9月25日(水)です。

ご覧頂ければ幸いです。

第586話  高校生の力

 
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障害者の祭典「きょうされん全国大会」が、福島県郡山市熱海町の「ユラックス熱海」で行われ、全国から障害者を含む2千人が参加した。

この大会運営を支えてくれたのが、福島県内の高校生を中心とする若い力だった。

地元郡山市にある日大東北高校といわき市の東日本国際大学附属昌平高校は、バス1台で応援に駆けつけてくれた。

個人で参加している高校生もいた。郡山市の太田記念病院の看護学校の学生もたくさんボランティアに入ってくれた。

ステージでは、いわき海星高校の「チームじゃんがら」のメンバーが、鎮魂と復興を願って「じゃんがら念仏踊り」を披露した。

チームリーダーの高橋純香さんは「私達は多くの皆さんに支援をして頂きました。感謝の気持ちでいっぱいです。これからは私達が笑顔で恩返しします」と挨拶した。

小名浜高校フラガールズは、震災直後からフラダンスで地域を明るく盛り上げてきた。< br>
メンバーは3人だが、華麗でダイナミックな踊りは、ステージの広さを感じさせなかった。

指導に当たっている横山寛子さんは「フラガールズ甲子園の時は緊張していた。でも、今日の演技は完璧」と目を細めて語ってくれた。

演技終了後3人に、将来の夢を聞いた。彼女達は口を揃えて言った。「人の役にたつ仕事に就きたいと思っています」と。

この日、日大東北高校野球部が秋の県大会で優勝した。全校応援だった。ボランティアメンバーが引率教諭に尋ねた。「先生、野球の東北大会は、全校応援ですよね?」。先生が答えた、「中間テストの最中だから無理だ」。生徒は一斉に「え~!?」。

大会マスコットにも、日大東北高校の男子生徒が入っている。

暑い中、ご苦労様 。

最後に満面の笑顔で記念写真に応じてくれた。

高校生の笑顔が福島の未来そのものだ!