その他

第434話  除染の前に

 
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福島市の我が団地の除染が、当初の予定より3ヶ月遅れでスタートする。

遅れた理由については、市からまったく説明はない。

6月6日に、業者を含めて三者面談を行い、「除染作業は6月13日から始めます」と、通告を受けた。

また、この日から3日以内に敷地内のモニタリング(放射線量の測定)を行いますと告げて業者は帰って行った。

そして次の日、「モニタリング作業完了のお知らせ」なる紙が一枚投げ込まれていた。

その紙には、「本日、屋根・雨どい・駐車場・雨どい下等の詳細モニタリングが完了いたしました」と記載されている。

詳細モニタリングの結果をなぜ、住民に知らせないのか疑問に思い、直ぐに業者に電話をした。

すると業者は、「モニタリングの数値の結果は、福島市の方に連絡することになっています」と答えた。

数値を一番知りたいのは、ここに住んでいる住民 ではないのか。

除染は誰の為にするのか。市の為なのか、業者の為なのか。

「どこの場所が、どの位高いのか。そこに住んでいる住民が、知りたいと思うのは当たり前。直ぐに数値を教えなさい」と迫ると、業者は「明日、係りの者を行かせますから」と答えて、電話を切った。

除染して出た土や草木は、自宅の敷地内に埋めるか、一ヶ所に集めブルーシートで被う事になっている。

仮置き場が決まるまでの暫定処置だが、仮置き場の先の中間貯蔵施設も、その先の最終処分場も決まっていない現状を考えると、除染はただの移染でしかない事がよくわかる。

果てしない除染にかかる莫大な予算を、福島県の子供たちの教育や医療に使った方が、福島の復興・復旧が加速するように思えて ならない。

第433話  塩屋俊監督急逝

 

 
俳優で映画監督の塩屋俊(とし)さんが5日、亡くなりました。56歳でした。

塩屋俊さんは、東日本大震災の時に相馬市の医療現場で奮闘する医療スタッフらを描いた演劇「HIKOBAE」をニューヨークで上演させ話題となりました。

塩屋さんは5日、HI K O BAE の公演で訪れた仙台市の会場の楽屋で倒れ病院に運ばれました。

6月2日(日曜)には、福島市でHI K O BAE を上演したばかりでした。

私は1週間前に、塩屋俊監督と電話で話しました。

その時塩屋さんは「この震災を100年後まで、きちんと残す為に、世界中で上演します」と話してくれました。

ご冥福をお祈り致します。

第432話  月刊きょうされんTOMO

 

 
月刊きょうされんTOMO の最新号が送られてきた。

映画「生命のことづけ」の監督、早瀬憲太郎さんのコラム「ともかがみ」をいつも楽しみにしている。

早瀬憲太郎さんは耳が聴こえない。NHK 「みんなの手話」の講師として活躍中。奥様は薬剤師の早瀬久美さん。(日本の聾者の薬剤師第一号)。

今年夏、ブルガリアで開催される「デフリンピック(耳の聴こえない人達のオリンピック)」の自転車競技に出場する。

日本として自転車競技に代表選手を派遣するのは今回が初めて。

耳の聴こえない人達は昔から「危ない」と反対されてきたため、競技として自転車を楽しむ人はほとんどいなかった。

「耳の聴こえない事で、やりたいことを諦める必要はないということを実証したい」と、早瀬憲太郎さんは語る。

目標は表彰台。

「やれないことなど何一つない」この言葉を胸に、早瀬憲太郎さんはペダルを漕ぎ続けている。

第431話  編隊飛行

 
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東北六魂祭を大いに盛り上げてくれたオープニングでのブルーインパルスの見事な編隊飛行!

25分の航空ショーは、震災以来、苦しみに耐えながら、うつ向きかげんに歩いてきた私達の心を未来に向けてくれた。

東北六県を象徴して、6機による編隊飛行。

集まった10万人を超える観衆から拍手と歓声が沸き起こった瞬間。

東北は1つになった。

私も負けてはいられない、「一人でも、変態非行」で頑張る!

第430話  クレマチス

 
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鉄線(テッセン)、クレマチス、カザグルマ。

幼い頃は「テッセン」と習ったこの花。

今は、梅雨空を吹き飛ばす「かざぐるま」という呼び名が好きになった。

花言葉は、「高潔」「企て」。

失った高潔の心を取り戻し、よからぬ企ての6月にしよう。

そう、花を見ながら誓った。