第83話 玉野に寄贈ピアノの思い
★相馬市立玉野小学校に、埼玉県の60代のご夫婦から寄贈されたピアノの「復活」の物語を、ご紹介します。
山間の相馬市玉野地区にある玉野小学校は、全校生徒が14人。
共有している体育館をはさんで、渡り廊下でつながっている玉野中学校も全校生徒14人。
その体育館に寄贈されたピアノを使い、相馬市出身のフルート奏者、芳賀文恵さんが音楽仲間3人と音楽会を開催しました。
芳賀さんは相馬市の沿岸部・尾浜出身。家族は無事でしたが、家は津波で流されて跡形もありません。
友人もたくさん亡くなりました。
虚脱感から1年間は何もできなかったそうです。
今は、自分のできること、音楽の力を信じて、被災地を回っています。
音楽会終了後、寄贈されたピアノで、玉野小学校と玉野中学校の校歌を子供達が熱唱しました。
ピアノが無かった体育館に校歌が流れたのは初めてでした。
娘が使っていて、今は使わなくなった大切なピアノを被災地に届けたい!
朝日新聞に私が書いた、豊間中のピアノの記事(今年3月11日掲載)を読んだ埼玉県の奈良さんご夫妻から、被災地にピアノを寄贈したいという手紙をいただいたのが、全てのきっかけでした。
このコンサートの模様は後日月曜日の番組で放送して、大きな反響を頂きました。
自然豊かな相馬市玉野地区の子供達の、元気な声が全国に発信されました。
子供たちの未来が福島県の希望です。
2012年10月30日 | 相馬市