第657話 相馬東高校文化祭

 
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相馬市にある相馬東高校文化祭「東陽祭」が20日(日曜)に行われ、津波で壊れて修復された、いわき市薄磯の豊間中学校のピアノによる「奇跡のピアノコンサート」が開催されました。

縁があって今年4月21日、相馬東高校で講演会を行いました。満開の桃の花に雪が降り積もる寒い日でした。

被災地のど真ん中にある相馬東高校で、私が講演してもいいのか、当日まで悩んでいました。

家を流され、家族を失い、原発事故の影響で、避難生活を強いられている生徒さんの前で、私が震災を語る資格があるのだろうかと。

その気持ちは、講演が終わってからも変わりませんでした。

1週間後、相馬東高校から分厚い資料が送られてきました。それは、私の講演を聞いての生徒さ んからの感想文でした。

そこには、震災を乗り越え、前を向いて進もうとしている若者達の熱いメッセージが綴られていました。高校生からもらった感想文は、私の宝物です。

その感想文の中には、私が講演の中で話した、豊間中学校のピアノに会いたいというメッセージが多く含まれていました。

その事をピアノを修理したいわき市の調律師・遠藤洋さんに話したところ、「ぜひ、このピアノで相馬東高校の生徒さんに校歌を歌ってもらいましょう」と仰って頂き、この日のコンサートの開催となりました。

コンサートでは、相馬東高校の校歌をはじめ、嵐の「ふるさと」「花は咲く」「未来へ」等が披露され、澄んだ歌声が体育館に響き渡りました。

涙を流しながら聴いていた遠藤洋 さんは、「相馬東高校の生徒さんやPTA 、教師の皆さんの歌に感動しました。ピアノがとても喜んでいます。修理して本当に良かったとおもいました。ありがとうございました」と、声をつまらせて話してくれました。