第620話 三島市講演会

 

 
10月7日(月曜日)に静岡県三島市で講演してきました。

障害者指導員200名が対象でした。その半数が自らも障害者でした。

私の講演は午後からでしたが、午前中には東日本大震災と障害者の記録映画「生命(いのち)のことづけ」を見て、震災と障害者の現状を目の当たりにして、かなりのショックを受けていたようです。縁あって私が映画のナレーションを務めました。

この映画は、今回の震災で障害者の死亡率は通常の2倍を越えているという厳しい現実を突きつけています。映画の進行役を担当した仙台市在住の盲聾者・早坂洋子さんは「もう少しの支援があれば、助かった命もあったはず」と悔しさをにじませていました。

講演で私は、地震、津波、原発事故が災害弱者と 呼ばれる高齢者や障害者そして病人に対し、いかに過酷な避難生活を強いてきたかを説明しました。

さらに、原発事故による無理な避難からくるストレスや持病の悪化、生きる希望を無くし自ら死を選ぶ人も多い福島の現実、原発事故関連死についてもお話ししました。

三島市から南に100キロの御前崎市には、中部電力浜岡原子力発電所があります。1号機から5号機のうち1~2号機は2009年に運転を終了しました。

東海地震の予想震源域にあってトラブルも多く、耐震性などの問題点も抱えています。

まさに、福島も静岡も共通の認識に立って災害を考える事が必要になっています。

講演終了後、質問や感想が相次ぎました。

「私達三島市民は、福島にどの様な支援をすればいいのですか」「知らない事が多すぎました。これからは毎月11日は福島の事を思いだし、冥福を祈ります」

私は「最大の支援は忘れない事です」と申し上げ、会場をあとにしました。

いつの間にか出口には「福島への支援金」と書かれた箱が置かれ、多くの人が協力する姿が見られました。

ありがとうございました。