第408話  相馬東高校感想文③

 

 
1ヶ月前の4月21日(日)に、相馬市にある県立相馬東高校で講演してきました。満開の桃の花に、季節はずれの雪が積もる寒い日でした。

震災のど真ん中にある相馬東高校で、私が講演してもいいのか、そんな資格があるのか、当日まで悩みました。

家を流され、家族を失い、原発事故により不自由な生活を強いられている生徒もたくさんいます。

でも、そんな悩みを解決してくれたのが、講演会終了後に送られてきた、生徒 達からの感想文でした。感想文は、2回に分けて送られてきました。1回目が200枚、2回目が100枚の合わせて300枚。コピーではなく、全て直筆です。学年や名前も殆どが記入されています。私の宝物です。

昨日届いた100枚から、いくつかを抜粋してご覧頂きます。

高校生達の未来を見つめる純粋な気持ちに感動しました。

①沿岸部の磯部に住んでいた友人が心配でした。3日後に無事が確認できて、ホットしました。でも、原発事故で遠くに行ってしまい、震災後1度もあっていません。寂しくて半年は泣いていました。今は少しは元気になりましたけど、やっぱり、会いたいです。友達を返して下さい。私は、福島県が、相馬が、海が大好きです。

②私の家は磯部にありました。全部津波で流 されました。でも、故郷を思う気持ちは流されていません。大和田さんの話しを聞いて、「東日本津波原発大震災」を子供や孫に伝えていこうと思いました。私の将来の夢は、医療関係の仕事に就く事です。

③豊間中学校の被災したピアノが復活した話に感動しました。僕の夢は、消防士になって多くの人の命を助けることです。人から信頼される人間になります。

④講演を聴いて涙があふれました。震災後の混乱を思い出しました。夢を持つことの大切さを教えてもらいました。未来に向けて歩んでいきます。

⑤私の住んでいる相馬は町の中はどんどん復興していますが、海沿いはまだまだです。どこかに原子力発電所の事故の問題があります。それは、私達の孫の代までつづきます。その問題を 、私達は今の大人に任せないで、一緒に考えていかなくてはダメだと思っています。地域の人達が協力して乗り越えて行くことが大切だと思っています。私の将来の夢は、ウェディングプランナーになることです。花嫁さんに最高の笑顔をプレゼントしたいからです。

⑥正直、震災の話しは聴きたくありませんでした。私の家族は無事でしたが、親戚は被害にあいました。弟は早く家に帰りたいと言いますが、帰るうちはありません。

⑦私の家までは、津波の被害はありませんでした。電気も水道もガスも止まりませんでした。だから、震災のことを深く考えていませんでした。講演を聴いて、沢山の人が原発事故のせいで、家に帰れなかったり、家族を捜せなかった事を知りました。どんどん福島のこと は忘れられています。この現実を伝えなければとおもいました。私は、多くの人を笑顔にできる仕事に就きたいと思っています。講演ありがとうございました。

⑧僕の夢は警察官になることです。理由は簡単です。震災で困っている人達の力になりたいからです。人を助けたいんです。大和田さんの話しを聞いて、原発事故で家族を捜せなかった人がいた事を知りました。 この大震災を語り継ぐ事を約束します。

⑨講演を聞いて、改めて地震や津波を忘れないようにしようと思いました。生きたくても生きられなかった人の分も生きようと思いました。そして、歯科衛生士になるという自分の夢を叶えます。講演を聞いて、夢を持つことの大切さ、夢の実現に向けて努力する事の必要性を学びました。

⑩僕の夢は、看護師になることです。震災後、母から看護師の必要性を聞き、この道を選びました。講演を聴いて、その気持ちが強くなりました。目標を持ち、諦めずに努力していきます。高校生活の3年間を大事にします。

⑪将来の夢は、保育士になることです。講演を聴いて夢の実現に向けて頑張っていこうと思いました。震災の経験を無駄にせず、子ども達の命と 笑顔を守りながら、一緒に成長していきます。

⑫講演ありがとうございました。これからも被災地や被災者の真実をきちんと伝えて下さい。私達若者の意見も取り上げて下さい。私の将来の夢は、栄養士になることです。

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どこまでも前向きな高校生のメッセージに、私たち大人がどう答えていくか、生き方が問われていますね。

頑張りましょう!