第17話 ランドセル
今年2月。
石川県金沢市の菊川小学校からランドセルが16個贈られてきました。
預かったのは、郡山市の大工、山田仁一さん41歳。
山田さんは、近くの小学校、保育園、幼稚園に、このランドセルを使ってもらえないかと、申し出ましたが、全て断られました。理由は、新品ではないから。
贈られたランドセルの中には持ち主の小学生からの手紙が入っていました。
「おばあちゃんが買っくれたランドセルです。大切な想いでがたくさん詰まっています。取って置きたかったけれど、困っている人に使ってもらえたら、うれしいです。大事に使って下さい。」
山田さんから私に長い手紙が届きました。
このランドセルに込めた、菊川小学校のこども達の善意を無駄にしたくない と。
山田さんから預かった16個のランドセルを、相馬市松川浦の「みなと保育園」に届けました。
和田園長は、いただいた善意を大切に、こども達に感謝の気持ちを教えていきますと、話してくれた。
福島県はこれからも、全国からの支援を必要としています。
新品はもらうけど、中古はいらない。
そんな思いが、福島県の復興の障害にならなければと願うのみです。
贈られたランドセルを背負うこども達の笑顔は、福島の未来そのものでした。
2012年9月26日 | 相馬市