新型コロナウィルスの影響と対策を要望してきました
今年も、福島県議会各会派への要望聴取会にいってきました。
今まで、東日本大震災からの福島の障がいのある仲間と支える事業所の抱える困難を伝え、具体的な解決への要望をしてきましたが、今回は新型コロナウィルスの影響下での状況と要望を伝えさせていただいてきました。
具体的には、要望書をご覧ください。
最後に、平時からの課題が地震と原発事故で、何倍にもなって障がいのある人たちや支える事業所に襲いかかってきたことは、福島の議員さんたちはお分かりのことだが、今回の新型コロナウィルスの感染下で起きていることも同様であるとお伝えさせていただきました。報酬日払いによる問題、事業所への報酬と利用者一割負担の問題、工賃額や一般就労者数など成果主義の問題など根本的な問題を正さないと緊急時の対応が小手先だけのものになりかねないとあらためて感じました。
きょうされん福島支部は、コロナ感染者が増え続ける福島県の状況中、障がいのある仲間や職員の感染を避けなければと、要望聴取会への参加を急きょ取りやめる参加者予定者が増え、志部長代理ひとりでの参加でしたが、福祉の現場の慢性的な人不足に加え、障がいのある人にとってしごとの場や暮らしの場がどれほど大切か伝えさせていただき、感染防止のため現場は必死であることを感じていただきました。そして、福島県聴覚障害者協会さんや福島県難病連さん、福島県社協さんら毎年お会いするみなさんの要望も聞かせてもらいながら、必要なときには、いつでも連携する必要があると感じて一日を終えました。
令和3年度福島県予算編成に対する要望聴取会要望事項
常日頃、障がい者福祉へのご理解、ご支援、誠にありがとうございます。
東日本大震災、福島第1原発事故は、福島県の障がいのある人たちに、障がいがあるがゆえ、より多くの困難を生じさせたことは、ご存じのとおりです。あれから9年半、県内44の加盟事業所は、震災後多くの支援を必要とする障害のある人たちが増え続ける中、多くの困難を少しでも乗り越えていけるよう努力してまいりました。あの多くの困難を繰り返さないために、国が批准した障害者権利条約にもとづく、地域社会づくりが、被災地福島のすみずみに進み、障がい者を含む支援を必要とする人たちが、安心して当たり前に暮らせる福島になることを望んでまいりました。
しかし、福島県が「障がいのある人もない人もともに暮らしやすい福島県づくり条例」を制定されたなか、新型コロナウィルスの感染への脅威が襲ってきました。東日本大震災、福島原発事故同様、個別の配慮がいる人たち、声をあげられない人たちが、孤立したり、排除されたりしていないか心配されます。
それはとりもなおさず、新型コロナウィルス感染への脅威以前に、国が示した報酬改定への考え方が、稼げない人たち多くの支援がいる人たちが事業所に敬遠されることを招いてはいないか、それらの人たちを受け入れる事業所が厳しい状況に落ちていっていないか、加えて、報酬減額対策へ事業所の懸命な努力に無理が生じないか。平時からのあり方が大切だと思っております。災害や緊急時には、平時からの課題が何倍にもなって襲いかかってきた経験をした私たちです。
これらの状況をふまえ、以下の要望をいたします。
1 新型コロナウィルス感染防止対策のため以下のことを要望します。
○ 感染防止のため、福祉現場では特に必要になるマスク、消毒用アルコール、ハンドソープ、体温計用乾電池等の需要増加がみられます。障がいのある人たち、支援する職員の安心安全のため、福祉現場へ、それらの物品の確実な補充ができるよう県独自のご支援をお願いします。
○ 元請けの仕事の減少や外出の自粛やイベントの中止による販売機会のキャンセル等障害のある人の仕事が激減し、(工賃)収入が減っている状況が多くの事業所にみられます。また就労した人たちの解雇も予想されます。この状況の長期化が考えられる中、障がいのある人の仕事への支援策、障がいのある人の工賃が減ることへの支援策をお願いします。具体的には、「障害者優先調達推進法」を県や市町村で、より参加しやすく活用しやすい形で強力に押し進めていただくことを強く要望します。就労系事業所では、今回の多くの事業所の収入減や一般就労者の解雇により、来年度報酬減が不安視されます。報酬算定を特例的にするのではなく、平均工賃額や就労者数による報酬の仕組みを廃止し、基本報酬そのものへの増額で安定した運営ができるよう国に伝えてください。
2 新型コロナウィルスに感染しても命を守るために以下のことを要望します。
○平時から、障がいのある人が安心して医療を受けることに多くの困難がありました。障がいのある人やその家族が感染した場合、安心して医療が受けられるような体制を整えてください。各市町村で取り組んでいる地域生活支援拠点の整備を医療との連携も視野に入れ早急に推し進めてください。また、濃厚接触者として、通常の生活が一時的に困難になった場合でも、暮らしや仕事が維持できるように事業所への支援体制を整え、早急に開所できるようにしていただくと同時に、居宅支援や移動支援が緊急時も、守られ使える制度になるよう国に要望してください。
○緊急事態宣言後も、障がいのある人たちの命、暮らし、仕事を支えるため、原則開所を必要とされる福祉現場で、学校の休校や感染予防等で職員が休まざるを得ない状況が生じました。もともと支える職員の雇用が厳しい状況の福祉現場の人不足がより一層厳しい状況になりました。緊急時ほど、より多くの複雑な支援が多岐にわたり必要な状況を求められるなか、緊急時も障がいのある人たちが安心して命や暮らし、仕事を維持できるよう、福祉職の処遇を根本から改善し、多くの人が福祉の現場で働ける職場にする必要があります。震災後の福島の状況もふまえ、県からも国にこの現状を伝えてください。
3 新型コロナウィルス関連の補正予算による各種施策の実施状況について以下ことを要望いたします。
○感染リスクを減らすために利用を控える障がいのある方のいる事業所、三密をさけるために利用日を制限した事業所、地域での感染拡大に対応して閉所を決断した事業所等、個々の事情に即して、障がいのある人たちの命を守るための対応をそれぞれ検討してきました。そのなかで、障がいのある人の仕事や暮らしを支えるための努力を続けてきました。そういった状況を国へ伝え対応の要望をする中で、いくつかの補正予算による支援策をだしていただきました。しかし、各種施策の実施状況と施策の細部にわたる解釈は、市町村ごとに違いがみられます。障がいのある人や支える事業所がこの困難を乗り越えていけるよう県による状況の把握や調整を要望いたします。
○仕事がなくなってしまうなか、雇用関係を結ぶ就労継続支援A型を利用する障がいのある人は、「休業手当」や「持続化給付金」の対象になり給与の補填をすることができましたが、多くは「生産活動活性化支援事業」では対応できず、働く生活介護や就労継続支援B型、地域活動支援センターを利用する障がいのある人たちの給与(工賃)は、事業所の持ち出しか、減給が予想されます。京都府のように働く生活介護や就労継続支援B型、地域活動支援センターを利用する障がいの減給分の助成制度をつくってください。国に「障害者就労給付金(仮称)」創設を要望してください。
○各種施策による支援策への申請は、限られた提出期間で膨大な事務量を必要とします。緊急時の対応で、人手不足のなか申請をあきらめる事業所や障がい者がでることがないよう県や市町村のきめ細かな見捨てない支援をお願いいたします。
(問い合わせ先 きょうされん福島支部事務局 佐藤美穂 電話0243-24-7307)
二本松市西勝田字鞍掛21-1 なごみ第二内
写真は福島県聴覚障害者協会さんの日本共産党福島県議団への要望