第310話  それでも花は咲く④

 
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2013年4月1日(月曜日)レポート④

浪江町中心部。2階にあったスナックが1階を押し潰した。

町は至るところに地震の爪痕が残る。

それでも花は咲く。木蓮の花が満開。

慌てて避難したのか、明日にでも帰れると思ったのだろうか、室内ベランダには洗濯物が干したままになっている。

JR 浪江駅西側は比較的線量が高かった。毎時2・8マイクロシーベルトを示していた。

第309話 浪江町③

 
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警戒区域となっていた浪江町がこの日、区域の再編が行われた。

日中に限って立ち入りが認められる地域の人口は浪江町全体の8割りも及ぶ。

しかし、除染も進まず、仮置き場も決まっていない。

また、上下水道の復旧もめどが立っていない。

立ち入りには、通行証が必要となる。国道6号と114号との交差点にはバリケードが置かれ、厳しく車輌をチェックしている。

浪江町役場は、この日から職員4人常駐させ、町民の対応に当たっている。

役場前には仮設トイレが設置され、飲み物の自動販売機の入れ替え作業が行われていた。

役場内は薄暗く、酒瓶が倒れたままだった。

役場前で話を聞いた、芹川輝夫さん65歳は、避難先の二本松駅前で食堂を再開させた。

芹川さんは「久しぶりに自宅に帰ったが、荒れ放題で手のつけようがない。片付けだけで、残りの人生が終わってしまう。原発事故さえ、なかったら」と悔しさを滲ませていた。

第308話 今野畜産②

 

 
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2013年4月1日(月曜日)レポート②

南相馬市原町区。
JR 常磐線の磐城太田駅前の精肉店・今野畜産直売店。

ここのメンチカツは、メチャクチャ美味い!

今野畜産は、震災後、地域の為にと、3月20日に店を再開させた。

分厚くジューシーなメンチカツは、なんと1枚75円。

「福島市から来ました」と言うと、「これ持ってきな」と、揚げたての唐揚げをサービスしてくれた。

この熱いメンチや唐揚げが、震災直後の避難者や住民をどれだけ励ましてくれたか。

胸が熱くなる。

第307話 飯舘村役場①

 

 
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2013年4月1日(月曜日)。レポート①

全村避難の飯舘村。

役場前では、懸命の除染作業が行われていた。

そこには「飯舘村に帰る」という菅野村長の強いメッセージが感じられる。

役場裏の空き地には、積み上げられた汚染土が。

放射線量は、毎時2・1マイクロシーベルトをさしていた。

除染した後の土や木などの仮置き場をどうするか。

行政と住民との調整が続く。

昨日、震災時に県立原町高校校長だった八巻義徳さんから嬉しいメールがきた。

そこには、

「この度、飯舘村教育長に就任しました。宜しくお願い致します」と書かれていた。

八巻義徳さんは、飯舘村出身。原町高校から岩手大学農獣医学部卒。

震災後は、バラバラになりかけた生徒の心に寄り添い、常に生徒の為にをモットーに東奔西走した。

第306話 浪江町区域再編

 
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東京電力福島第一原子力発電所の事故で全域が避難区域となっている浪江町は4月1日午前0時に「帰還困難・居住制限・避難指示解除準備」の3つの区域に再編された。

双葉郡8町村で人口の最も多い浪江町。

日中の自由な立ち入りが可能となる「居住制限、避難指示解除準備区域」の人口は浪江町全体の8割を超える。

生活環境の整備が最優先だが、ガスや水道はほとんど復旧していない。

下水処理場と下水道管が被災したため、町内全域で下水道も使用できない。

ガス漏れの恐れもあり、町はガスを使用しないよう呼びかている。

除染も急務で、町はほとんどの行政区ごとに放射性廃棄物を一時保管する仮置き場を設置する方針だ。

しかし、住民との調整は思うように進んでいない 。

浪江町の馬場有(たもつ)町長は社会基盤の復旧について。

「仮置き場を早急に設置し、除染に入りたい。国には廃棄物の減容化施設を早く造るように求めている。社会基盤は上下水道の復旧が急務だ。
浪江町は震災によるゼロからの出発ではなく、原発事故によるマイナスからのスタートとなる。太陽光発電などの事業を町内で展開できるようにし、若者が帰還できる町をつくりたい」と 述べた。