第500話  内部被曝通信 福島・浜通りから~なぜ、現実のデータに目を向けられない人がいるの

 

 
内部被曝通信 福島・浜通りから~なぜ、現実のデータに目を向けられない人がいるのか

この原稿は朝日新聞の医療サイト「アピタル」より転載です。

南相馬市立総合病院
非常勤内科医 
坪倉 正治

2013年7月24日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 

相馬市で行われている内部被曝検診結果( http://www.city.soma.fukushima.jp/housyasen/kenkou_taisaku/WBC/index.html )が公表されました。

相馬市では2012年6月から全市民を対象に内部被曝検査が続いています。今回は2013年3月までに検査を終えた11,898人の結果を公表しています。

公立相馬総合病院と相馬中央病院の2つの医療機関で検査が行われ、相馬市の人口(約3万人強)のうち4割弱の方が検査を受けられたことになります。

他の地域の検査結果に比べて、何か突飛な結果が導かれている状況ではありません。上記の図1-1, 1-2にあるように、成人9,352人中8,958人(約95%)が、小児2,546人中2,543人(約99%)が、検査時に検出限界以下でした。検出限界は2分間の立位の測定で250Bq/body(/kgではありません)です。

既に多くの方が、検出限界以下というレベルにセシウムによる内部被曝が抑えられていますし、それが維持されています。

図4-1にあるように、米や野菜は地元で作られたものを摂取されている方が多くいらっしゃる状況です。その状況下で、上記のような結果なのは、現在の日常生活での内部被曝が低い状況が、しっかり維持出来ていることを示しています。

お米の結果は、福島県の放射性物質検査情報( https://fukumegu.org/ok/kome/ )にも示されているように、1000万件以上の玄米の全袋検査の結果、99%以上が検出限界25 Bq/kg以下です。このことからも十分に推測される結果であり、それらを食べてもセシウムの内部被曝が爆発的に増える状況では全くないのです。

「福島県産」とか、xxxで作られたかという「場所」「産地」が注目される傾向がありますが、より重要なのは「種類」です。土壌中のカリウムや、土壌の種類、水のpHなど色々な要素が複雑に絡みあってはいるものの、明らかにセシウム汚染しやすい食品は偏っています。それらを避けることで大部分の内部被曝を避けることが出来ます。

ざっくりと言うと、日本人の主食であるお米は、セシウム汚染しやすい食品には該当しないと思います。

ベラルーシやウクライナの場合も論文で報告されたことですが、キノコ類やベリー類が全体の内部被曝の90%以上 を占めていたということです。繰り返しになりますが、xxxという場所で作られた食べ物の汚染度が高いという話よりも、xxxという種類の食べ物は気をつけて検査をしながら進まなければならないという話です。

値が高くなりやすい食べ物は、出荷制限が既にかかっている食べ物とほぼイコールです。そうした食べ物を「未検査」で継続的に食べる。そのことがリスクであると申し上げているわけです。野菜や魚に関しても同様です。水に関しては第67回( http://apital.asahi.com/article/fukushima/2013061700009.html )を参考にしてください。

多くの方々が食品検査に携わり、結果が常に公表されています。自戒を込めて、「放射線に関してxxx産だから」というだけの言い方は、いつまでたっても現実と若干ずれたレッテルを張っているような印象があります。

種類によりますが、もちろん継続的な検査は絶対に必要ですし、気をつけるべきことも多く存在します。ただ、均等に汚染されているわけでは決して無い。このような結果は地元では既知の事実として受け入れられてきていると感じますが、東京などで検査の大枠の結果を知らず、心ない言葉が飛び交い続けているのが残念です。

今回は相馬市の結果をテーマにしたので、最後に相馬市長のメールマガジン( http://archive.mag2.com/0000096393/index.html )をご紹介します。

その中でこんな下りがあります。

「しかし一番の問題は、女生徒たちが将来の出産の際に異常分娩になるので自分は結婚出来ないと思い込んでいるケースが多いという現実だった。これは紛れもないPTSDである。科学的な根拠もなく無責任に不安を煽るだけの方々の心無い発言が、福島県の子どもたちの心の傷を深めているのだ」

もちろん今までの検査結果で全てが分かっているわけではありません。ただ大枠で気をつけるべきこと、ポイントは分かってきています。

東京などでは未だに福島は住めないとか、非科学的な心ない話を陰謀論などと混ぜ合わせ、政治や主張の道具にして多くの偏見を再生産しているとしか思えな い方もいます。

上記のような話は明らかにおかしいです。このブログでも逐一報告していますが、もう少し、多くの(特に福島県外の)人たちに現実のデータに目を向けてほしいと思います。

今日はこの辺で。

写真:今年も相馬市の仮設住宅検診が始まりました。暑いですね。市の職員さんや、医師会の先生や星槎グループのスタッフ、豊栄会のリハビリスタッフなどが集まりみんなでやっています。
写真は、相馬中央病院の加藤先生、石井先生、豊栄会のリハビリスタッフたち。仮設住宅の集会場でちょっと休憩中です。運動不足で筋力が落ちている人に個別指導をずっとやってくれています。

http://apital.asahi.com/article/fukushima/2013071600012.html

今回の記事は転送歓迎します。その際にはMRICの記事である旨ご紹介いただけましたら幸いです。

MRIC by 医療ガバナンス学会 

第499話  ご協力お願い致します。

 

 
友人からのメールを転送します。ご協力をお願い致します。

★☆★☆
いつも大変お世話になっております。
写真家の高橋です。

この度の山形県の豪雨の影響で山形県天童市では
大規模な断水が続き、復旧の目途が立たず、飲み水が枯渇しております。

水が出ないという事は本当に不便で、精神的にもやられます。

情報の発信や、水のご支援をお願い出来れば幸いです。

どうかよろしくお願い致します。

下記に現地の方からの情報を掲載させて頂きます。

『水の支援をお願いします』

ゲリラ豪雨による影響で、19日から断水が続いております。

22日の大雨により、更に深刻化してきました。

天童市においては19ヶ所の給水所で対応していますが、給水車の水も隣町から運んでいる状態です。

心配なのは独居老人世帯、老々世帯等。

ここにきて、皆様に支援のお願いをすることになろうとは思ってもみませんでしたが、無理の無い範囲で、ご協力お願いいたします。

情報を 拡散していただけるだけでもありがたいです。

募集物資~~~ペットボトル飲料水・2リットル以上~~~

送り先
〒994-0013
山形県天童市老野森 2-6-1
天童市中部公民館

問合せ先
遠藤葉子
 090-2361-1205(出られない場合は後ほど折り返します)

第498話  福島の現状

 
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自宅の除染が終わりました。

汚染土を入れた白いプラスチックの箱が30個。

庭に人の背丈程の穴を掘って埋めます。

最終処分場、中間貯蔵施設、仮置き場、仮仮置き場も決まっていないので、いつまで自宅に保管しておくのか、期間は未定です。

これが、福島の現状です。30個の箱は少ない方だと、作業員の方は言っていました。

写真の赤い線は、放射線量が高い所です。因みに0・5マイクロシーベルトありました。

結局、再度土を30センチ削って、0・4マイクロシーベルトまで下げましたが、どれだけ意味があるのか疑問です。

そ んな所に1日立っているわけではありませんから。

原発爆発から2年4ヶ月経ちましたが、福島市内でも50マイクロシーベルトを超えるホットスポットが見つかっています。

それが、子供達の通学路や学校の植え込みで見つかっています。

そういった場所の除染こそ、しっかりやってもらいたいものです。

私達福島県民はいつまで、見えない放射線に悩まされながら、生きていかなければならないのでしょう。

東京電力福島第一原子力発電所の事故も収束せず、事故原因も究明されていないのに、政府自民党は原発再稼働に向けて大きく舵をきろうとしています。

それどころか、原発の海外輸出も視野に入れて動き始めました。

どこか末恐ろしさを感じています。

第497話  菓詩工房わたなべ

 
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昨年4月16日に警戒区域が解除され、ようやく立ち入りが自由になった南相馬市小高区。

小高区の住民に愛されていた洋菓子店「わたなべ菓詩工房」のオーナー渡部幸史さんから来年オープンする店の模型の写真が送られてきた。

ライフラインが復旧していない小高区での再開は 後回しにして、南相馬市原町区に来年春以降にオープンする。

すごい!

まさにお菓子のワンダーランドだ。

福島県の復興・復旧を担う子供達に喜んでもらい、夢を与えられる店がコンセプト。

店内には滑り台も設置される。

仙台からも常連客が来ていた「菓詩工房わたなべ 」の「おだかシュー」が食べられる日が楽しみだ。

第496話  除染の後に

 
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ご近所のお年寄り達が、たんせい込めて作った自慢の花壇。

除染の名のもとに、更地になって半年。

また、地域を花で飾りたいという熱血お年寄り軍団によって、このたび一部ではあるが、花壇が見事に復活した。

その中には、夏の花に混ざって秋桜も咲いていた。

地域のお年寄り達の頑張りに感謝、感謝、感謝。

猛暑の中、ありがとうございます。