第96話 初代なっちゃん!?

 

★浪江中出身で、南相馬市にあります、原町高校3年の沼能奈津子さんからのメールを転送します。

沼能奈津子さんは、原町高校生徒会副会長として原町高校をまとめながら、放送部長として被災地の高校生の本音を全国に発信してきました。

奈津子さんは、大学でメディア論を学び、将来は福島の現状を世界に伝えたいと考えています。

原町高校の沼能奈津子さんが初代なっちゃん、浪江中の山田なつちゃんが、二代目なっちゃんです。

二人のなっちゃんを大学と高校が決まったら、ラジオ福島のスタジオに呼んで、夢を聞きたいと思っています。

こんばんは
お久しぶりです。

なかなかメールの返信が出来ず申し訳ありません。

大和田さんからのメールを読むと、いつも考えさせられます。視野を広げて下さるメールに感謝します。ありがとうございます。

私が大学でマスメディアについて学びたいと強く思ったのは、ラジオ福島の出演がきっかけです。

放送部に入りたくて原町高校に入学し、将来もメディアに関わりたいと思っていました。

しかし、震災・原発事故の報道の仕方に裏切られた気がして、メディアを信じられなくなりました。

しかし、原町高校放送部で学校や地域の様子を全国に発信し続けたことで、発信することの大切さを学びました。

また、当事者が発信しなければいけないと思うようになりました。

ラジオ福島出演の際は、大和田さんや皆さんが親身になって話を聞いてくださったり、自由に発言できる空間を提供してくださったりと、信用できるメディアに出会いました。

私も大和田さんやラジオ福島の皆さんのように親身になって他者の思いを汲み取り、発信できる人間になりたいと思い、大学での目標を決めました。

本当に感謝しています。

また、福島工業の南原さんや小高工業の高野さんが現状を発信している姿に勇気付けられました。(欲を言えば…)私も参加したかったな~なんて思いましたが、今は我慢して勉強します

今は、地域のために出来ることは少ないのですが、一生懸命に学校生活を送ることが私が出来ることだと思っています。

最近は早く受験が終われば良いな~と思うばかりです 苦笑

原町高校・沼能奈津子

第95話 年内選挙

 

野田首相が年内衆院選挙の意向を輿石幹事長に伝え、解散総選挙が加速しはじめました。

福島1区、2区は民主党は候補者のメドも立たないていたらくで、不戦敗の様相を呈してきました。

民主党は、福島の復興を真剣に考えているのでしょうか!

投開票は12月16日(日曜)で動いているようです。

第94話 浪江に帰る

 

警戒区域の浪江町出身の歌手、RIEKOさん(23)に話を聞いた。

RIEKO さんは、浪江小、浪江東中、双葉翔陽高校卒業後、栄養士を目指して東京の専門学校に進んだ。

3・11は東京のアパートで経験した。

福島の家族とは1週間連絡が取れなかった。

やっと連絡が付いた兄からは「両親にはまったく連絡がとれない、お前も覚悟しておけ」と言われた。

幸い浪江の家族は無事だった。

先日父と2回目の1時帰宅を果たした。

RIEKO さんの自宅は、津波の被害は無かったものの、背丈を越えたセイダカアワダチ草に覆われ、玄関にたどり着くのにも苦労した。室内は動物の糞で溢れ、異様な臭いにつつまれていた。

悔しさで、涙も出なかった。

帰りに、津波で壊滅的な被害を受けた、請戸地区に足を伸ばした。

港に通じる道路は寸断され、車は大きく揺れながらやっと前に進んだ。

港の建物に漁船が突っ込んでいた。

変わり果てた故郷の景色に言葉も出なかった。

しかし、潮の香りが嬉しかった。

一瞬、アワビやホタテ、美味しいホッキ飯など、故郷の味が思い出された。

かろうじて立っている請戸小学校の校舎に入った。若い女性体育教師の誘導で、児童全員が助かった事を父から聞いてホッとした。

教室の黒板には、「頑張ろう浪江、頑張ろう請戸」のメッセージが書かれていた。

震災後1時帰宅した地元住民の、故郷を思う熱い心に、はじめて涙か溢れた。

そして、心から浪江に帰りたいと思った。

RIEKO さんは12月10日(月曜日)の「月曜Monday (もんだい)夜はこれから」に、同郷の歌手・門馬よし彦さんと出演し、故郷への思いを歌う。

月曜日の夜7時から放送する「月曜Monday ( もんだい)夜はこれから)は、ユーストリームを通して、音声と影像を世界中に発信。

県外の方は、パソコンかスマホでお聴きを。
 

月曜Monday 夜はこれから(12月10日)
http://www.ustream.tv/recorded/27626606
 

第93話 女子高校生と講演会

 

★「東日本津波・原発大震災」から、今日で1年8ヶ月です。

昨日は、文科省支援事業のシンポジウムに参加、女子高生と講演してきました。

二人とも、南相馬市小高区出身。

小高区は原発事故後、全住民が避難、今年4月16日に警戒区域が解除されましたが、上下水道の
復旧などは平成25年度以降で、現在住民が住める状況ではありません。

一緒に講演したのは、小高工業高校生徒会長の高野桜さんと、福島工業高校前生徒会長の南原怜奈さんです。

南原さんは、小高工業高校から転校して、福島工業高校の生徒会長になった頑張り屋さんです。
昨日18歳の誕生日を迎えました。

二人は、160人の聴衆を前に、堂々と将来の夢や、故郷小高への思いを語りました。

小高工業の高野桜さんは高校生平和大使として、この夏ジュネーブで核廃絶について英語でスピーチしました。

また、福島工業の南原怜奈さんは今年8月6日に広島平和記念式典で、浪江の馬場町長の後に平和への思いを熱く語りました。

★昨日の話で印象的だったのは、二人とも将来超優良企業である「東電」に入る為に小高工業高校に入学したこと。

原発は安全で、事故を起こすことなどは全く考えられなかったこと。

今、県内でも、南相馬の中でも、温度差を感じる。それを埋める為に、小高工業と福島工業の交流を進めたかったが具体化できなかった。その悔しい思いを、次の世代に引き継いでいきたいなど。

また、自分達の故郷「小高」が取り残されていく現状と不安感を、淡々と語ってくれました。

福島県の復興を担う高校生が、この福島で、自らの夢を実現できる故郷にしなくてはと、強く願わずにはいられませんでした。

高野桜さん、南原怜奈さん、ありがとうございました♪

第92話 相双福島

 

★相双福島の存続が危ぶまれています。

相双福島は、原町高校、相馬農業高校、双葉高校の3高校の合同チームです。

その相双福島がチーム存続の危機に陥っています。

原町高校の部員が9人で、単独でも試合に出場できるからです。

でも双葉高校の部員は5人です。

夏の甲子園に3回出場した双葉高校野球部の緑の双葉マークのユニフオームがこの夏見られなくなる可能性が出てきました。

この夏の甲子園大会で始球式を務めた、双葉高校野球部エースの猪狩駿くんのお母さんからの苦しみに満ちたメールを転送します。

今、子供達は修学旅行中で、その最中に携帯のニュースで、存亡の危機を知ったようで、子供達は動揺しています。

子供から連絡が入って親達もショックを隠せません。

確かに9人は満たしている原町高校は単独でも活動は出来るとは思いますが、1人でもケガをしてしまえば欠場となってしまいます。

高野連にもっと双葉高校の実情を目で見て分かって下さいとお願いしたいです。

確かに、この震災で他の高校もいろいろ苦労があると思います。

大和田さんも双葉高校の練習を一度見ていただければ分かると思います。

専用のグランドもなく、明星大のグランドを借りてますが、照明もないので、夏でも夕方6時ぐらいまでしか練習が出来ません。

暗い中でボールを追いかけてるんです。その光景を目の当たりにした時、胸が熱くなりました。

土日は往復5時間近くもかけて原町高校に練習をしに行きます。

その移動の5時間があれば練習出来るのになぁと何度思ったことか…

せめて、この2年生が引退するまで相双福島でやらせて下さい。と…

一度でいいから、グランドがないこの子供達を見に来てから解散の判断をして下さい。と切にお願いします。

相馬、相馬東、新地も確かに人数は少ないかもしれません。

でも、あなた達にはグランドや照明があるでしょうと、言いたいです。

長々とすみませんでした。

猪狩 駿の母より