富岡町

第214話 夜の森の桜

 

警戒区域となり、住民の立ち入りが制限されている富岡町。

 
富岡町
 

そこには、町のシンボル、「夜の森の桜並木」がある。

左右1キロに渡って咲き誇るソメイヨシノは、正に桜のトンネルとかす。
その開花宣言木の前に立った。空間放射線量は、2マイクロシーベルトパーアワー。

今年は桜の開花に合わせて、1部立ち入り規制を緩和する事が検討されている。

郡山の仮設住宅に避難している富岡町の住民は言う、「夜の森の桜を見るまでは死ねない」。

原発事故による震災関連死が目立つ富岡町。

長引く避難によるストレスから、体調を崩す人が多い。

満開の桜が、富岡町民の生きる希望になる事を祈らざるをえない。

第182話 原発事故さえなかったら

 
★写真は警戒区域の双葉町と富岡町。人影は全く無い。
 

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①公民館前のアーチには、原発と共に生きてきた双葉町の現実があった。「原子力明るい未来のエネルギー」
 

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②JR 双葉駅の改札前のスタンドには、震災当日の2011年3月11日の新聞が残っている。
 

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③富岡町のJR 富岡駅。線路の中には津波で流された車が放置されていた。
 

住民が立ち入る事が出来ない警戒区域(双葉町・浪江町・大熊町・富岡町)はあの日から時間が止まっている。
 

★この1年、被災者の皆さんから聞いた最も多かった言葉は「原発事故さえなかったら」。

昨年1月1日時点の、東日本大震災による県内の死者は1900人。

それが、今年1月20日現在の死者数は3072人。

この1年間で、1100人が亡くなった。

震災関連死は、被災3県の中で福島県が最も多い。

原発事故による無理な避難からくるストレスが、主な原因だ。

長い避難生活による、肥満・高血圧・高血糖・認知症の進行、将来への不安から自ら命を絶つ人もいる。

「原発事故さえなかったら」

この言葉が重くのしかかる。
 

★28日(月曜日)夜7時から放送の「月曜Monday(もんだい)夜はこれから」は、『福島復興本社代表・石崎芳行東電副社長』のインタビューをお聞き頂く。

福島第一原子力発電所の事故の損害賠償や除染等の対応強化を目指す東京電力は、今年1月にJ ヴィレッジに「福島復興本社」を開設した。

代表に就いた石崎芳行東電副社長はこれまで、「賠償、除染についていろいろな要請にお応えする。福島に根を下ろし、全力を尽くす」と抱負を述べている。

また、「取り返しのつかない事故を起こしたが、克服してご恩を返す。『東電魂』を持って責任を果たす」と決意を語った。

番組では、石崎芳行復興本社代表に、事故の当事者としての責任や業務への取り組み、補償や除染、厳しい県民感情へどう向き合っていくかなどを伺う。
 

★28日(月曜日)夜7時から放送の「月曜Monday(もんだい)夜はこれから」は、ユーストリームを通して世界中に音声と影像を発信。

県外の方はパソコンかスマホでどうぞ。
 

『月曜Monday 夜はこれから!』(ラジオ福島)
【ustream】 月曜 19:00~20:50
 http://www.ustream.tv/channel/rfc-radio
【facebook】
 https://www.facebook.com/Monday1458
  

第46話 富岡町

 

★平成24年10月14日午後4時。

警戒区域の富岡町。

津波の被害をまともに受けた「JR 富岡駅」と生徒の歓声が消えた「県立富岡高校」

ゴーストタウンと化したこの町に、人びとの日常が戻ってくる日が来るのだろうか?

★役場機能が戻った広野町には、人の息づかいが感じられるようになった。

楢葉町の姿は、4月16日に警戒区域が解除された南相馬市小高区と似ている。

そこには、人の気配を感じる事がほとんどない。

それぞれの地域には、住民の帰還を阻むかのように、一面にまっ黄色のセイタカアワダチ草 が生い茂っていた。