月曜Monday

第108話 浪江中文化祭

 

12月2日(日曜日)午後5時から、ラジオNIKKEI で「浪江中文化祭」を放送します。

60分番組です。

警戒区域となっている浪江町にある浪江中は、現在二本松市東和針道の廃校になった小学校にあります。

震災前は450人いた生徒は今、49人。

10月28日(日曜日)に文化祭を開催しました。

49人が心一つに、感謝の気持ちを全面に出しての文化祭は、感動的でした。

この番組は、ラジオ福島で11月5日(月曜日)に放送したものの再放送です。

ぜひ、お聴き下さい。

月曜日の夜7時から放送する「月曜Monday ( もんだい)夜はこれから)は、ユーストリームを通して、音声と影像を世界中に発信。

県外の方は、パソコンかスマホでお聴きを。
 

月曜Monday 夜はこれから(11月5日)
http://www.ustream.tv/recorded/26732914
 

第100話 福島からの提言

 

11月19日(月曜)の「月曜日Monday ( もんだい)夜はこれから」。

テーマは「福島からの提言」。

★前半の提言は、「仮設住宅」。

「誰もが生活しやすい環境」を目指して、福島県で活動している「NPO法人ユニバーサルデザイン・結(ゆい)」の代表理事・富樫美保さんをお迎えし、「北国における応急仮設住宅を考える!」と題してお送りします。

富樫美保さんが取り組んでいる「震災とユニバーサルデザイン」について具体的な取り組み事例を交えてお話を伺います。

また、実際に仮設住宅で生活している皆さんにもスタジオにお出で頂き、仮設住宅の問題点を指摘してもらいます。

★後半は、「鎌田實~命の授業」

11月13日(火曜)にプレハブ仮設校舎の小高中学校で、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生の「命を考える」と題した授業が行われました。

鎌田實先生の授業を受けたのは、小高中学校の1年生30人。

鎌田先生は、震災直後から相双地区の医療支援に入り、住民の心のケアにつとめてきました。

また、WBC(ホールボディーカウンター)をいち早く導入させ、県内の子供達の内部被曝調査を積極的に進めてきました。
★鎌田實先生の著書(絵本)「雪とパイナップル」(中学生1年生の国語の教科書に掲載中)を読んで感動した小高中1年生の要望で今回の「命の授業」が実現した。

「雪とパイナップル」は、チェルノブイリ原発事故で「黒い雨」を浴びて、白血病で亡くなった少年をめぐる物語です。

少年の為に、氷点下20度の凍った町に出て、パイナップルの缶詰を探す若い看護婦さんの話に心が熱くなります。

鎌田實先生はこの本の中で、命の大切さ、感謝の心、幸せとは何かを問いかけています。

★鎌田先生は授業終了後、子供達の質問に丁寧に答えていました。

放射線や食べ物について、素朴な質問がたくさん出ました。

一人の生徒が鎌田先生に聞きました。

「小高には、いつ帰れるんですか?」

鎌田先生は始めて言葉につまりました。

「小高にいつ帰れるんですか?」

この質問にきちんと答えられる大人はいるのでしょうか。
 
月曜日の夜7時から放送する「月曜Monday ( もんだい)夜はこれから)は、ユーストリームを通して、音声と影像を世界中に発信。

県外の方は、パソコンかスマホでお聴きを。
 

月曜Monday 夜はこれから(11月19日)
http://www.ustream.tv/recorded/27139329
 

第94話 浪江に帰る

 

警戒区域の浪江町出身の歌手、RIEKOさん(23)に話を聞いた。

RIEKO さんは、浪江小、浪江東中、双葉翔陽高校卒業後、栄養士を目指して東京の専門学校に進んだ。

3・11は東京のアパートで経験した。

福島の家族とは1週間連絡が取れなかった。

やっと連絡が付いた兄からは「両親にはまったく連絡がとれない、お前も覚悟しておけ」と言われた。

幸い浪江の家族は無事だった。

先日父と2回目の1時帰宅を果たした。

RIEKO さんの自宅は、津波の被害は無かったものの、背丈を越えたセイダカアワダチ草に覆われ、玄関にたどり着くのにも苦労した。室内は動物の糞で溢れ、異様な臭いにつつまれていた。

悔しさで、涙も出なかった。

帰りに、津波で壊滅的な被害を受けた、請戸地区に足を伸ばした。

港に通じる道路は寸断され、車は大きく揺れながらやっと前に進んだ。

港の建物に漁船が突っ込んでいた。

変わり果てた故郷の景色に言葉も出なかった。

しかし、潮の香りが嬉しかった。

一瞬、アワビやホタテ、美味しいホッキ飯など、故郷の味が思い出された。

かろうじて立っている請戸小学校の校舎に入った。若い女性体育教師の誘導で、児童全員が助かった事を父から聞いてホッとした。

教室の黒板には、「頑張ろう浪江、頑張ろう請戸」のメッセージが書かれていた。

震災後1時帰宅した地元住民の、故郷を思う熱い心に、はじめて涙か溢れた。

そして、心から浪江に帰りたいと思った。

RIEKO さんは12月10日(月曜日)の「月曜Monday (もんだい)夜はこれから」に、同郷の歌手・門馬よし彦さんと出演し、故郷への思いを歌う。

月曜日の夜7時から放送する「月曜Monday ( もんだい)夜はこれから)は、ユーストリームを通して、音声と影像を世界中に発信。

県外の方は、パソコンかスマホでお聴きを。
 

月曜Monday 夜はこれから(12月10日)
http://www.ustream.tv/recorded/27626606
 

第72話 豊間中「奇跡のピアノ物語」

 

29日の「月曜Monday 夜はこれから」で紹介する、被災した豊間中のピアノの物語です。

★2011年3月11日午前、いわき市薄磯の豊間中学校では卒業式が行われ、47人が巣立って行った。

その3時間後、大津波が学校を襲った。

時計の針は、3時28分で止まっている。

幸い生徒に被害はなかったが、薄磯地区は100人が亡くなり、10人が行方不明となっている。

5月14日、福岡県小郡駐屯地の陸上自衛隊員40人が 豊間中学校体育館に入った。

全ての瓦礫を撤去する為に。

自衛隊は、膝まであった瓦礫と砂を4日間かけて撤去した。

床を瓦礫の中から見つけたモップと、自分達のペットボトルの水を使って、ピカピカに磨きあげた。

ステージ上には、津波の被害を受け横転したグラウンドピアノがあった。

指揮をとっていた山口勇3等陸佐が言った「このグラウンドピアノを体育館の中央に運ぼう」

ピアノを見た山口勇3等陸佐は、「このピアノは豊間中学校の復興のシンボルになる」と直感したという。

山口勇3等陸佐の指示を受け、自衛隊員によりピアノは丁寧に体育館中央に運ばれた。

豊間中学校の復興を願って。

自衛隊の善意を知った豊間中PTA が動いた。

昨年5月20日、体育館に学校関係者300人が集まり、このピアノで校歌を歌い学校に別れを告げた。

その後ピアノは一人ぼっちになっていた。

「ピアノを瓦礫にしたくない」

いわき市の調律師・遠藤洋さんがピアノの修理をかってでた。

市教育委員会、学校、寄贈者の了解を得て、8月1日、ピアノを体育館から運び出した。

その後、1万個にも及ぶ部品の修理が、半年間続いた。

震災から1年経った3月11日、豊間中学校の生徒がこのピアノで校歌を歌った。

本当にピアノが甦った瞬間だった。

自衛隊の山口勇3等陸佐は、ラジオ福島のホームページで、ピアノの復活を知った。

嬉しくて胸が熱くなった。

そしてこの9月、横浜高島屋で行われた「大東北物産展」の会場で、調律師の遠藤洋さんと自衛隊の山口勇3等陸佐が対面した。

2人は、黙ったまま力強く握手を交わした。

「奇跡のピアノ」は今、復興・復旧のシンボルとして日本中に被災地の喜びや悲しみを伝えている。

ピアノを瓦礫にしなかった2人の男に心から感謝したい。

 
月曜日の夜7時から放送する「月曜Monday ( もんだい)夜はこれから)は、ユーストリームを通して、音声と影像を世界中に発信。

県外の方は、パソコンかスマホでお聴きを。
 

月曜Monday 夜はこれから(10月29日)
http://www.ustream.tv/recorded/26517280
 

第69話 頑張れ浪江中学校②

 

★10月22日(月曜日)の「月曜Monday (もんだい)夜はこれから」は「頑張れ浪江中学校!」をテーマに放送しました。

警戒区域の中にある浪江中学校は現在、二本松市東和針道にあります。

震災前は400人を越えていた生徒数でしたが、現在は、1年生が7名、2年生が22名、3年生が20名の合わせて49名です。

その浪江中学校では今度の日曜日・28日、文化祭「秋桜祭」を開催します。(誰でも入れます)

二本松市東和針道に開校して2回目の文化祭ですが、昨年以上に盛り上げようと、生徒会を中心に頑張っています。

今年度は、全校生徒で取り組むビッグアート、全校合唱、よさこいをメインに、発表や展示があります。(浪江焼きそばも出るよ)

震災前の浪江中学校では、クラスで取り組む合唱コンクールや、学年ごとの企画がありましたが、、人数が少なくなった為、全校生徒で取り組むものが増えました。

全校生徒49人がひとつになって、文化祭の成功に向け、積極的に取り組んでいます。

★スタジオには、浪江中学校生徒会長の 山本幸輝くん。

文化祭「秋桜祭」実行委員長の山田なつさん。

文化祭担当の門馬徳夫先生の3人を迎えて、浪江中学校文化祭「秋桜祭」をPR するとともに、故郷への思い、将来の夢を聞きました。

★そして28日(日曜)の浪江中文化祭にスペシャルゲストとして出演する、「みやぎびっきの会」の小柴大造さんとラジオパーソナリティーの小川もこさんの2人が駆けつけ、浪江中学校にエールを送ってくれました。

「びっき」とは、東北地方の方言てカエルのこと。

ふるさとに「帰る」修理して元に「返る」の意味と、地元のオタマジャクシ達を育てようとの思いがある。

「みやぎびっきの会」では、復興支援ソングの「虹を架けよう」の福島バージョンを制作し、「秋桜祭」で披露することになっています。(月曜Monday の放送中に「福島バージョン」を初披露してくれました。感動的でした)

小柴大造さんと小川もこさんには、浪江中学校への支援の経緯や、それを支える思いを伺いました。

★浪江中の二人に将来の夢を聞きました。

生徒会長の山本幸輝くんは、「高校受験を控え、父の希望と自分の 希望が一致しないのが、悩みの種。将来は家業の建設業を継いで、故郷浪江の復興に関わりたい」と語ってくれました。

文化祭実行委員長の山田なつさんは、「高校は双葉高校に進学して、将来は警察官になり、福島の治安維持をはじめ、住民が安心して住める故郷を作りたい」と夢を話してくれました。

二人とも福島の復興・復旧の為に、何か役に立ちたいと思っているようです。

嬉しいかぎりです!

これを聞いてゲストの小柴大造さんと小川もこさんは、「福島の子供達の前向きな姿に感動しました。28日(日曜)文化祭当日、復興支援ソング「虹を架けよう・福島バージョン」を生徒達と一緒に歌うのが本当に楽しみです。文化祭に来てくれた人達(家族や先生・地域の皆さん)に感謝の気持ちを伝えられるようなステージにしましょう」と熱いメッセージを送ってくれました。

浪江中文化祭「秋桜祭」は、今度の日曜28日午前9時からスタートです。

何と、アンガールズも登場します。

楽しみですね。

震災に負けないで、夢に向かって頑張っている子供達の真っ直ぐな心を、是非応援して下さい。

写真は、浪江中の山本幸輝生徒会長と山田なつ文化祭実行委員長、そして小柴大造さんと小川もこさんです。

平成24年10月23日

大和田 新