南相馬市

第98話 大和田さん、なっちゃんへ

 

早稲田大学の佐藤彩乃さんからのメールを転送します。

彩乃さんは福島県立橘高校の生徒会長として、学校をまとめてきました。

高校時代にラジオ福島で番組を担当したのが縁で、放送に興味を持ち、大学ではマスコミ論を学んでいます。

南相馬市の原町高校の沼能奈津子さんのメールを読んでの感想です。

大和田さん、なっちゃん

夜分遅くに失礼します。

大和田さん、いつもメールありがとうございます。そしてなっちゃん。
なっちゃんのメールを読んで感動し、涙が出てきました。まっすぐな気持ちが、痛いほど伝わってきます。

私自身、何のためにこの大学に進学したのか、東京で暮らしているのか、考え直すきっかけになりました。

私も、ラジオ福島にたくさんの機会を頂いた者のひとりです。

その機会を、なんとかこれからに活かしたい、と、模索を続けています。

私事ではありますが、現在、英語の勉強にかなり力を入れています。

英語が使えれば、もっと日本のこと、福島の実情をシェアできる人が増えるとの思いがあります。

目指すは、12月TOEICでの900点突破です。

私も、なっちゃんに負けていられません!(笑)

私から発信できることがあれば、お伝えしていきますね。

大和田さん、なっちゃん、体調にはどうかお気をつけて。

今後とも、何卒よろしくお願い致します。

佐藤彩乃

第97話 錦秋の福島路と蒲田寛先生

 

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生が今日、南相馬市鹿島区にある小高中学校で「命の授業」を行いました。

30人の1年生は、真剣に鎌田實先生の話に耳を傾けていました。

鎌田先生は、授業終了後には、生徒からの質問に丁寧に答えていました。

しかし、「小高には、いつ帰れるんですか」という質問には言葉を失っていました。

小高中の生徒のこの質問に、明確に答えられる人はいるのでしょうか。

第93話 女子高校生と講演会

 

★「東日本津波・原発大震災」から、今日で1年8ヶ月です。

昨日は、文科省支援事業のシンポジウムに参加、女子高生と講演してきました。

二人とも、南相馬市小高区出身。

小高区は原発事故後、全住民が避難、今年4月16日に警戒区域が解除されましたが、上下水道の
復旧などは平成25年度以降で、現在住民が住める状況ではありません。

一緒に講演したのは、小高工業高校生徒会長の高野桜さんと、福島工業高校前生徒会長の南原怜奈さんです。

南原さんは、小高工業高校から転校して、福島工業高校の生徒会長になった頑張り屋さんです。
昨日18歳の誕生日を迎えました。

二人は、160人の聴衆を前に、堂々と将来の夢や、故郷小高への思いを語りました。

小高工業の高野桜さんは高校生平和大使として、この夏ジュネーブで核廃絶について英語でスピーチしました。

また、福島工業の南原怜奈さんは今年8月6日に広島平和記念式典で、浪江の馬場町長の後に平和への思いを熱く語りました。

★昨日の話で印象的だったのは、二人とも将来超優良企業である「東電」に入る為に小高工業高校に入学したこと。

原発は安全で、事故を起こすことなどは全く考えられなかったこと。

今、県内でも、南相馬の中でも、温度差を感じる。それを埋める為に、小高工業と福島工業の交流を進めたかったが具体化できなかった。その悔しい思いを、次の世代に引き継いでいきたいなど。

また、自分達の故郷「小高」が取り残されていく現状と不安感を、淡々と語ってくれました。

福島県の復興を担う高校生が、この福島で、自らの夢を実現できる故郷にしなくてはと、強く願わずにはいられませんでした。

高野桜さん、南原怜奈さん、ありがとうございました♪

第92話 相双福島

 

★相双福島の存続が危ぶまれています。

相双福島は、原町高校、相馬農業高校、双葉高校の3高校の合同チームです。

その相双福島がチーム存続の危機に陥っています。

原町高校の部員が9人で、単独でも試合に出場できるからです。

でも双葉高校の部員は5人です。

夏の甲子園に3回出場した双葉高校野球部の緑の双葉マークのユニフオームがこの夏見られなくなる可能性が出てきました。

この夏の甲子園大会で始球式を務めた、双葉高校野球部エースの猪狩駿くんのお母さんからの苦しみに満ちたメールを転送します。

今、子供達は修学旅行中で、その最中に携帯のニュースで、存亡の危機を知ったようで、子供達は動揺しています。

子供から連絡が入って親達もショックを隠せません。

確かに9人は満たしている原町高校は単独でも活動は出来るとは思いますが、1人でもケガをしてしまえば欠場となってしまいます。

高野連にもっと双葉高校の実情を目で見て分かって下さいとお願いしたいです。

確かに、この震災で他の高校もいろいろ苦労があると思います。

大和田さんも双葉高校の練習を一度見ていただければ分かると思います。

専用のグランドもなく、明星大のグランドを借りてますが、照明もないので、夏でも夕方6時ぐらいまでしか練習が出来ません。

暗い中でボールを追いかけてるんです。その光景を目の当たりにした時、胸が熱くなりました。

土日は往復5時間近くもかけて原町高校に練習をしに行きます。

その移動の5時間があれば練習出来るのになぁと何度思ったことか…

せめて、この2年生が引退するまで相双福島でやらせて下さい。と…

一度でいいから、グランドがないこの子供達を見に来てから解散の判断をして下さい。と切にお願いします。

相馬、相馬東、新地も確かに人数は少ないかもしれません。

でも、あなた達にはグランドや照明があるでしょうと、言いたいです。

長々とすみませんでした。

猪狩 駿の母より

第85話 避難者の思い

 

今日、福島県南相馬市から北九州市に避難しているお母さんに会ってきました。

幼い子供2人を連れて、昨年の4月から北九州市八幡にアパートを借りて住んでいます。

ご主人は、南相馬に残って仕事をしています。

全く福島の情報が無く、帰りたいけど、心配で帰れない、逃げた後ろめたさもあると、話してくれています。

原発爆発直後の判断としては、南相馬市を離れるの事は、最善の選択肢の1つだったと思いますが、震災から1年7ヶ月が過ぎた今、今度は南相馬に戻る選択肢も考えて欲しいと伝えました。

福島の安全面を、外に向けて発信する必要性を強く感じました。