いわき市

第51話 久乃浜海岸①

 

地震、津波、火災、原発事故、風評被害と5つの災害と闘う、いわき市南部の久乃浜地区。

原発から30キロのこの地域は屋内退避となり、殆どの住民が故郷を離れた。

津波の後、火災に見舞われた久乃浜。

63人が亡くなり、10人が行方不明となっている。

写真の正面が堤防。遮るものがなくなった。

焼けただれた木が、不気味な姿で立っている。

20日(土曜日)に行われる鎮魂の花火大会の為に、草刈りが行われていた。

第47話 門馬よし彦さん

 

いわき市久之浜の浜風商店街で今日午後、浪江町請戸出身のシンガーソングライター・門馬よし彦さん(33)のミニコンサートが行われました。

ステージは門馬さんの体型に合わせて、土俵を使用しました。

門馬さんの自宅は玄関から海岸まで30歩の近さ。

当然津波で基礎を残して全て流されました。

3・11、自宅には祖母が1人でいましたが、津波が来る寸前に門馬さんの義理の弟が助け出してくれました。

婆ちゃんは今、門馬さんと一緒に福島市の仮設住宅で生活しています。

津波が全てを奪って行ったが、生き残った私達が絆を繋いで故郷を復興させようと歌う「願い」には、会場からすすり泣く声も聞かれました。

被災地の思いを歌に託し、門馬よし彦さんのコンサートはこの秋佳境を迎えます。

第45話 いわき市久の浜

 

津波と火災で多くの被害者を出した。

行方不明者も10人いる

その中の1人に当時地元の市会議員、高木芳夫さん65歳がいた。

高木さんは自宅近くの障害者を助けるようとして津波にのまれたという。

避難する人達が海岸方面に向かう高木さんを目撃している。

久の浜第一小学校の校庭に昨年9月、仮設の商店街「浜風商店街」が、オープンした。

10店舗が肩を寄せあって生きてきた。

地元の住民は言う、「ここに来ると元気になれる」

「地域の為に!」を合い言葉に、浜風商店街は復興・復旧のシンボルとして、笑顔と元気を発信している。

浜風商店街会長の遠藤利勝さんに、浜風商店街の名前のいわれを聞いた。

「久の浜の為に頑張ってきた(故)高木芳夫さんの支援組織の名前からとりました。高木さんの意思を継いで故郷を復興させようという、私達の決意です」と話してくれた。

震災から1年7ヶ月、記憶の外に埋もれようとしている町の英雄を忘れてはならない。

第31話 いわき海星高校の仮設トイレ

 
私の友人の大学教授の怒りのメールを転送します。

彼女は、南相馬市小高区出身。

現在は、いわき在住。週末は、小高に戻り家の後片付けをしています。

小高区の仮設トイレは仕方がないとしても、何でいわきの高校が未だに仮設トイレなのですか!!

国や県は、何処にお金を使っているのですか?

国会議員や地元の議員は何をしている!

恥ずかしくないのか?

美しい福島を世界に理解して分もらう!

ふざけるな!

福島の未来を担う大切な子ども達の精神と健康を守ってからだろう!

怒りが込み上げてきました。

きつです。

第28話 じゃんがら念仏踊り

 

郡山中田町の柳橋歌舞伎で、いわき海星高校の生徒が「じゃんがら念仏踊り」を披露しました。

いわき海星高校は、津波で二人の生徒が犠牲になりました。

二人とも家族を助けに戻って流されました。

その一人、工藤盛人くん(当時2年生)は、自宅にいるお婆ちゃんを助けに戻って犠牲になりました。

しかし工藤くんは、自宅に戻る前に、道に迷い困り果てていた、在宅介護スタッフを助け、介護を受けているお年寄りと介護スタッフの3人を高台に避難させて、命を救いました。

自らも担架を持って。

彼の勇気と判断力は、後世に語り継いでいくものだと思っています。

いわき海星高校では、亡くなった二人の仲間の鎮魂といわきの復興の為に、じゃんがら念仏踊りを有志によって披露するようになりました。

この話を福島県の内堀副知事にしましたら、感激していました。

今、いわき海星高校の海洋学部の生徒は遠洋航海に出ています。

大きな被害をもたらした津波は海から来ました。

しかし、彼らは海を恨んでいません。

海と伴に生きようとしています。

だから、いわき海星高校に「防災学部」を作り、日本1の防災スペシャリストを育てていかなければならないと思っています。

福島県の未来の為に。

内堀副知事は言いました。「防災教育は、まんべんなくなくやる」と。

まんべんなくやると言うことは、やらないと言うことです。

いわき海星高校のトイレは未だ仮設です。

暑つかった夏。

女子生徒が可哀想だとおまいませんか?

いつまで仮設トイレを続けるのですか。