福島市

第93話 女子高校生と講演会

 

★「東日本津波・原発大震災」から、今日で1年8ヶ月です。

昨日は、文科省支援事業のシンポジウムに参加、女子高生と講演してきました。

二人とも、南相馬市小高区出身。

小高区は原発事故後、全住民が避難、今年4月16日に警戒区域が解除されましたが、上下水道の
復旧などは平成25年度以降で、現在住民が住める状況ではありません。

一緒に講演したのは、小高工業高校生徒会長の高野桜さんと、福島工業高校前生徒会長の南原怜奈さんです。

南原さんは、小高工業高校から転校して、福島工業高校の生徒会長になった頑張り屋さんです。
昨日18歳の誕生日を迎えました。

二人は、160人の聴衆を前に、堂々と将来の夢や、故郷小高への思いを語りました。

小高工業の高野桜さんは高校生平和大使として、この夏ジュネーブで核廃絶について英語でスピーチしました。

また、福島工業の南原怜奈さんは今年8月6日に広島平和記念式典で、浪江の馬場町長の後に平和への思いを熱く語りました。

★昨日の話で印象的だったのは、二人とも将来超優良企業である「東電」に入る為に小高工業高校に入学したこと。

原発は安全で、事故を起こすことなどは全く考えられなかったこと。

今、県内でも、南相馬の中でも、温度差を感じる。それを埋める為に、小高工業と福島工業の交流を進めたかったが具体化できなかった。その悔しい思いを、次の世代に引き継いでいきたいなど。

また、自分達の故郷「小高」が取り残されていく現状と不安感を、淡々と語ってくれました。

福島県の復興を担う高校生が、この福島で、自らの夢を実現できる故郷にしなくてはと、強く願わずにはいられませんでした。

高野桜さん、南原怜奈さん、ありがとうございました♪

第92話 相双福島

 

★相双福島の存続が危ぶまれています。

相双福島は、原町高校、相馬農業高校、双葉高校の3高校の合同チームです。

その相双福島がチーム存続の危機に陥っています。

原町高校の部員が9人で、単独でも試合に出場できるからです。

でも双葉高校の部員は5人です。

夏の甲子園に3回出場した双葉高校野球部の緑の双葉マークのユニフオームがこの夏見られなくなる可能性が出てきました。

この夏の甲子園大会で始球式を務めた、双葉高校野球部エースの猪狩駿くんのお母さんからの苦しみに満ちたメールを転送します。

今、子供達は修学旅行中で、その最中に携帯のニュースで、存亡の危機を知ったようで、子供達は動揺しています。

子供から連絡が入って親達もショックを隠せません。

確かに9人は満たしている原町高校は単独でも活動は出来るとは思いますが、1人でもケガをしてしまえば欠場となってしまいます。

高野連にもっと双葉高校の実情を目で見て分かって下さいとお願いしたいです。

確かに、この震災で他の高校もいろいろ苦労があると思います。

大和田さんも双葉高校の練習を一度見ていただければ分かると思います。

専用のグランドもなく、明星大のグランドを借りてますが、照明もないので、夏でも夕方6時ぐらいまでしか練習が出来ません。

暗い中でボールを追いかけてるんです。その光景を目の当たりにした時、胸が熱くなりました。

土日は往復5時間近くもかけて原町高校に練習をしに行きます。

その移動の5時間があれば練習出来るのになぁと何度思ったことか…

せめて、この2年生が引退するまで相双福島でやらせて下さい。と…

一度でいいから、グランドがないこの子供達を見に来てから解散の判断をして下さい。と切にお願いします。

相馬、相馬東、新地も確かに人数は少ないかもしれません。

でも、あなた達にはグランドや照明があるでしょうと、言いたいです。

長々とすみませんでした。

猪狩 駿の母より

第89話 茂庭っ湖マラソン結果報告

 

全盲のマラソンランナー、福島市の鍼灸師、星純平さんからの嬉しいメールを転送します。

昨日のマラソンの結果です。純平さんは、フルマラソンを三時間以内で走る、サブスリーを目指しています。

視覚障がい者ランナーの星純平です。

日頃は、ラジオ福島をお聞きの多くの皆様から応援をいただきまして、誠にありがとうございます。

視覚障害者となり閉鎖的な日々を送る中、多くの方々のご支援を頂く事で、マラソンと言う世界を体感しています。

ただの一人の市民視覚障害者ランナーと思って走ってきましたが、ラジオ福島の大和田さんとの出会いで、ラジオ番組にて熱意を持って取り上げて頂きました。

その影響によって多くの方々から応援をしてもらう事になりまして、心から感謝しています。

その反面、戸惑いもありますが、光を失い、気持ちを閉ざす日常から少し解放されたような喜びを実感する今日この頃です。

自分自身の運命と戦う一つの形として今、マラソンと向き合っていきたいと思っています。

今後とも、温かいご声を宜しくお願い致します。

昨日(11月4日)は、茂庭っ湖マラソン(福島市飯坂)に参加してきました。4度目のフルマラソンです。

伴走をしてくださったのは藤田 欣也(39)さんです。

陸上自衛隊郡山駐屯地に勤務され震災時は不眠不休で任務にあたってくださったそうです。

陸上は社会人になってから始めて、フルマラソン(42.195キロメートル)2時間39分の記録をお持ちです。

藤田さんは、7年前に仙台ハーフで高橋勇市選手(アテネパラリンピック視覚障碍者マラソン 金メダリスト)の伴走の経験もある、とても頼もしい伴走者です。

大会案内に書かれていた、「※ご注意 コース上に猿の糞がある場合がございますのでご注意ください」の一文が頭から離れず、糞に滑る自分の姿が何度も思い浮かんでリラックスしたスタートができました。(笑)

3時間15分以内が目標タイムです!!

ベテランランナーも非常にタフなコースと言うほど長く傾斜の厳しい上りと下りの足にくるコースでした。排雪溝のグレイチングの溝が大きく何度も躓きかけ、ガイドする藤田さんも神経を使ったそうです。

終止、風の強いレースで何度もくじけそうになりましたが、藤田さんの丁寧なガイドと熱い励まし、参加ランナーの方々や沿道からの盛宴に助けられ完走できました。

完走タイム:3時間08分06秒

本大会も、伴走をして下さいました藤田さんをはじめ、多くの方々のご支援により、走らせていただきました事、心より感謝申し上げます。

引き続きのご支援ご声援をよろしくお願いいたします。

星 純平

第59話 あみちゃん、諒くん

 

福島市のあみちゃん(中1)、諒くん(小5)の姉弟は、震災以来今も、警察車輌に「ありがとう、ご苦労様!」の手書きのメッセージボードを掲げて、自宅前の国道に立って手を振る。

「感謝の気持ちを伝えたい」

あみちゃん、諒くんが自宅前の国道わきに立って、感謝の気持ちを伝えるようになったのは、昨年4月6日。福島の支援に来てくれる自衛隊や警察の皆さんは、自宅に自分達と同じ子どもたちや、大切な家族を残して、命がけで頑張ってくれている。だから「ありがとうございます」と言いたいんです、話してくれた。

メッセージボードを掲げ手を振るあみちゃん、諒くんの姿に、自衛隊、警察の人達は、故郷の我が子を思って、胸が熱くなる。

あみちゃん、諒くんありがとう。

二人の笑顔が、福島の未来そのものです。

第49話 子供たちは見ている

 

震災後、福島の子供達は全国から沢山の支援を受けています。

昨年の8月。
福島市飯坂町の平野中学校の2年生50人が、東京の企業の支援で、日帰りで東京ディズニーランドに行く事になりました。

しかし直前に行き先が、横浜の山下公園に変更になりました。

行き先を変更したのは、主役である中学生自身でした。

平野中学校の生徒の7割が果樹農家。

その大半が桃を育てていました。

桃は夏の果物。

しかし果樹農家が1番忙しいのは1月・2月の厳冬期の剪定作業です。

生徒達は、寒さの中懸命に農作業を行っている、じいちゃん、ばあちゃん、それに両親の苦労を目の当たりにして、全く売れない桃を横浜で消費者に直接渡し、 福島の現状を理解してもらいたいと、立ち上がったのです。
生徒会長が代表して校長先生を説得、其々の生徒が家庭で家族を説得して実現しました。

横浜山下公園で配られた300個の桃は、あっという間に無くなりました。

その時生徒達は、「福島の美味しい桃です!家族が一所懸命作りました。放射能検査もしてあります。全く心配ありません。安心して食べて下さい」と、声を枯らして呼びかけ、桃を配りました。

子供たちは、私達大人の背中を見ています。

彼等の手本となるように、手を抜かず 頑張っていきましょう。

原発事故が教えてくれた。
「手を抜くと、手間がかかる」

福島の復旧・復興を担う子供達の為に、私達大人が何をすべきか、一緒に考えていきましょう。

全ては、子供達の為に