その他

第466話  アホさらし電話

 

 
友人からのメールです。笑えない内容です。

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 NSOという会社のハタヤマなる人物から、会社に俺名指しで電話がかかってきた。留守だと告げたら、080-9429-5083に電話をくれと伝言されたと会社の事務員から連絡があった。

聞いたこともない会社名だし、要件は言わなかったというのでこれは詐欺まがいの電話だなとピンときた。なのであえて自分の携帯電話から080–に電話をいれてみた。

すると「電話の持ち主は只今べつの電話に出ておりますので、こちらから折り返します」とアメクなる男が言った。しかし待っても電話が来ない。そこで今度は会社の固定電話から080–に電話。何度かけても出ない。やはりな。

ここで080–をネット検索すると、この番号は2373回検索されていた。口コミ情報として書き込まれている内容はどれも「いかがわしいぞ、ここ」というものばかり。そうだろう。

そして、電話がきた。03-3275-6606という固定電話から。

内容は、「私どもがお付き合いさせて頂いている会社様で人材を求めており、営業スキルの高いあなた様に是非ともご入社頂きたいとのお話を頂いております」というもの。
 
これに対し俺は、「だったら俺は当てはまらない。営業スキルなんて全く高くないから」と答える。畳み込むように「どこで俺の情報を調べた?誰が俺の営業スキルが高いと言った?」と聞くと、同業者でかつて一緒にお仕事をされた方からです、という。

それは誰か?と聞くが、それは答えられないとの返答。そりゃそうだろう、「誰」は存在しないのだから。迷惑だから二度とかけてくるな!と言って電話を切った。

それにしてもコイツらオツムが変だ。

現在勤めている会社に電話をしてヘッドハンティングするヤツがどこにいるか。具体的に俺を引き抜きたいなら、俺とダイレクトにコンタクト出来る連絡先くらいは調べるだろ。いや、一緒に仕事をした人で俺を【営業スキルの高いやつ】と評する位の人からの紹介なら、まず俺の携帯電話番号は知っているだろう。

それに携帯電話に折り返し電話を寄越せと言っておきながら、別の人間が出るか?会社所有の携帯電話だとしても個人使用が一般的。それに他のヤローが出るのがおかしいし、しかも「ハタヤマは別の電話に出ていて…」ではなく「電話の持ち主は別の電話に出ていて…」って、いくつもの名前を使ってあちこちに電話をしているから、名前を言えないわけだ。笑える。

こんな話に飛びついたカモから紹介手数料名目でたんまりカネを騙し取って、「バカだねぇコイツら」とでも言っているのだろうが、お前等の方が余程バカだぜぇ。

第465話  原発再稼働へ

 

 
全国の電力9社は今日、一斉に株主総会を開いた。

北陸電力を除く8社では、原発からの撤退など「脱原発」を求める議案が出されたが、全て否決された。

停止している原発の再稼働への流れを株主たちが変える事は出来なかった。

東京電力に聞きたい。
「福島復興が先か、経営の建て直しが先か。どちらを優先させるのか」

第455話  医療の限界をタブー視せずに議論しよう

 

 
医療の限界をタブー視せずに議論しよう 「がんもどき理論」と乙武さん入店拒否騒動について思うこと

※このコラムはグローバルメディア日本ビジネスプレス(JBpress)に掲載されたものを転載したものです。
http://jbpress.ismedia.jp/

武蔵浦和メディカルセンター
ただともひろ胃腸科肛門科
多田 智裕

2013年6月21日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 

慶応大学医学部の近藤誠先生が書かれた『医者に殺されない47の心得』(アスコム)が医療関連本としては記録的な売り上げを見せているとのことです。

軽い風邪に抗生物質はいらないなど、賛成できる部分もあります。しかし、近藤先生の主張で一番インパクトがあるのは「がんもどき理論」でしょう。

症状がなく検査で見つかり手術で治るがんは癌ではなく“がんもどき”、なので放っておいても命には別状なし。本当の癌は転移を起こすので、手術や放射線や化学療法などでは治らない。それどころか、手術や抗がん剤などの治療を受けるだけ寿命を縮める。

これが「がんもどき理論」で、その結果、この本では「がん放置療法(がんは放置した方が楽に長 生きできる)」を確立したと宣言しているのです。

もしもこの理論が正しければ、「癌の見落としで命を落とした」という医療訴訟は完全になくなります。なぜならば、その癌は“がんもどき”ではなく本当の癌であったので、早く発見して手術しても寿命を短くするだけだったのですから・・・。

「何もしないというのも治療」という選択肢を世に知らしめた功績は確かにあると思います。けれども、これほどまでに「ホンマでっか!?」的な本が売れるのは、「医療でできないこと」の議論がタブー視されてきたことも原因の1つなのではないでしょうか。

●現代の医療で提供可能な選択肢を全て示していないこの本について、私の専門分野である消化器の部分について2点感想を述べます。

近藤先生は、20年ほど前に有名なニュースキャスターが胃がん手術を受けた後、数カ月後に治療のかいなく亡くなった例を挙げています。だから、がんの手術や抗がん剤治療は不毛であり放置療法(治療しない)のが一番という説明になっています。

この書き方だと、人によっては今も同様の手術が行われていると思ってしまうことでしょう。しかし、20年前と同様の手術が今行われることはありません。

現在では、腹腔鏡(お腹の中に小さな穴をあけて細い管を入れる)がまず行われ、開腹さえも行われません。

ただし、腫瘍からの出血でショック症状を起こした、または、腫瘍が胃の出口を塞いでしまい食事困難な場合に、腫瘍のみを切除する手術が行われる場合はあります。でもこれらは、手術 により出血が収まる、食事が食べられるようになるなどの「QOL」(生活の質)の改善が見込まれる場合です。

現在では腫瘍の根治可能性が高い、ないしはQOLの改善が見込まれる場合にのみ、手術が行われるようになってきているのです。

また、近藤先生は医療被害の例のトップとして、「ERCP」(胆管と膵臓を造影剤で撮影する検査)を挙げて「死ぬことがあるのでおすすめしません」と結論づけています。こちらも、現在では、磁気を体外から当てるだけのMRIで膵臓や胆管は検査可能(MRCPと言います)です。

大学病院にいらっしゃる近藤先生は、それらのことを十分に承知しているはずです。その上で極端な事例を挙げるのは、医療機関への不信感を過度に煽っていると思わざるを得ません。少な くとも、現在の医療で提供可能な選択肢を全て示さないで結論を出していると言っていいでしょう。

●医療には「できること」と「できないこと」があるさて、細かな部分はともかく、この本が果たした功績は「進歩しているとはいえ、医療は万能ではなく、できないことがある」という事実を再認識させたことだと思います。

がんの診断に限らず、病気にかかっても助かる人は助かりますし、死ぬ人は死にます。医療機関にかかり検診や治療を受ければ、助からないまでも“必ず”良くなるという思い込みは、実は幻に過ぎません。

10年ほど前の経験になりますが、高齢者の方に、肺気腫の合併症のある早期胃がんが見つかりました。「1年後にまた来て下さい」と経過を見ていたものの、1年後に大 きさが倍くらいになり、手術を行ったところ、術後、肺炎で命を落とされてしまったことがありました。

「本人が強く希望しても、合併症のある方には安全に手術をする保障ができないので手術をしません」と手術を断れば良かったのか、と思うことは今でもありますですから、70歳以上で持病のある方、そして80歳以上の方にとっては、「がんの治療を行わない、がん検診も受けない」という選択肢がいちばん望ましい可能性が十分あります。

しかし、いきなり、「検査に伴う合併症が多くなるし、見つかっても治療できないことも多いので、70歳以上はがん検診を3年に1回にして、80歳以上は一切がん検診を行わない」と制度を変えることは非現実的です。もとより、その前段階の議論を始めることすら ほぼ不可能なのではないでしょうか。

近藤先生はこの本で、高齢者に対しては、という注意書きをつけず、あたかも全年齢に対して「(高血圧、糖尿病、高脂血症、癌を含めて)治療を受 けるだけ無駄」かのように書いています。これは問題だと思いますが、これまで医療で「できないこと」が曖昧なまま、しっかりと議論されることがなかったということが示されたのは、大いに注目すべき点だと思います。

●期待が高すぎることから発生するトラブル先日、ネットで話題となった乙武洋匡さんの“イタリアン入店拒否“騒動では、以下のようなやり取りがあったそうです。

・イタリアンレストランの店主「車いすのお客様は、事前にご連絡いただかないと対応できません」「ほかのお客様の迷惑になりますので」「予約の時点で車いすって言っとくのが常識じゃないですか?」

乙武さん、「いや、それが常識なのか、僕にはわからないです。そもそも、僕はこれまで一度もそんなこ とをせずとも外食を楽しんできましたし」
医療でも同様の事態はしばしば起こります。

理想論を言えば、レストランはどんなときもどんな客に対してもサービスを提供するべく努力するべきですし、医療機関も全ての患者に対して最高の医療を提供するべきです。しかし、医療やサービスの利用者の事前の期待値があまりにも高すぎると、大きな認識ギャップが生じ、感情的なトラブルが発生してしまうのです。

乙武さんの騒動では、「(忙しい際には)車いす対応は事前の手配がないと対応できない」に対して「(体だけ運ぶなどして)車いすでも対応可能なはず」という認識ギャップがありました。

医療では全ての手術や治療を安全にできるわけではありません。「それなら治療を受けるだけ 無駄」と考えるのではなく、「(理想はともかく)現実の医療にはできないことがある」ことを認め、そこから議論することこそが、今、必要なのではないでしょうか。

MRIC by 医療ガバナンス学会

第453話  内部被曝通信 福島・浜通りから~水道水は安全、その理由

 

 
内部被曝通信 福島・浜通りから~水道水は安全、その理由

この原稿は朝日新聞の医療サイト「アピタル」より転載です。

南相馬市立総合病院
非常勤内科医 
坪倉 正治

2013年6月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 

相馬地方広域水道企業団に行ってきました。福島県相馬市にある水道局/浄水場です。相馬市大野台という仮設住宅が多く並ぶ地域のすぐ裏手の高台の上にあります。

この地域で使われている水は、飯舘村にある真野ダムを水源としています。そこで水がどのように浄化されていくのか、過程を見学させていただきました。

泥やゴミを沈殿させ、そして消毒することで水道水は作られます。濁った水を振動させずにそっと置いておけば泥は下に溜まります。それを効率よく行うため、泥やゴミをお互いにくっつけ、大きな固まりにしてから沈殿させています。

この泥やゴミを、集めて大きな固まりにしてくれるのがPAC(パック)と言われる薬剤です。PACが汚れた水 に加えられることで、大きなゴミの固まり(フロックと言います)が形成され、短時間で水に浮いている多くの泥やゴミ を沈殿さ せ、除去することが出来ます。

これは今回の原発事故以前から使われている薬剤(特に放射性物質を除去するために使われる薬剤ではない)です。

この地域の上水道から事故直後を除き、ゲルマニウム検出器ですらセシウムが検出されたことはありません。(参照 http://www.suido-soma.jp/monitaringu/MANO-0614.pdf )

この上水道は現在、内部被曝のリスクを考える必要はありません。セシウムなどの放射性物質が検出されるのは上水道ではなく、泥水です。原因は泥であり、セシウムが強く接着している土です。ですので、山間部の家庭で大雨がふった後、近くの川から引っ張っている水道が濁り、その濁った泥水を検査すると数Bq/kgぐらいの検出をすることはあります。繰り返しますが、泥水の話であり、上水道の話ではありません。

「真野ダムから水を引いているにもかかわらず、上水道から放射性物質が検出されないという結果はおかしい」という指摘を受けることがありますが、理由は簡単です。上で述べた、沈殿させた泥やゴミからは放射性物質は検出されます。沈殿した泥を集めて、干して乾燥させて計測 すれば、 数千~万Bq/kg単位でセシウムを検出します。

逆説的ですが、この泥の汚染が高いということは、その分しっかり上水道から汚染を分離しているということの傍証でもあります。

これらは、粘土とセシウムが強く結合しているから実現していることです。農産物と同様です。しっかり耕し、粘土質にセシウムが 十分吸着している状況で、たい肥にカリウムが多い状態を 維持してすれば、その土地で作成した農産物の汚染を防ぐことが出来ることにも通じるように思います。

もちろん、検出限界がありますので、「水に0.000001Bqのxxxが……」と言い始めると難しいですが、結果として、上水からセシウムを1Bq/kgクラスで検出することはありません。ストロンチウムも震災前の値と変わらないという結果でした。

現状ではホールボディーカウンター(WBC)の検査結果から、水に気を使う方は、他の食品にも気を使っている方が多い印象があります。原町の結果から言うと、以前はミネラルウォーターを主に使用する方と水道を主に使用する方が半分ずつでしたが、現在では水道を使用される方が7割、ミネラルウォーターを使用される方が3割ぐらいという状況です 。

WBCでの検査結果でも、ミネラルウォーターを使っていないと、内部被曝の値が増えているということもありません。ちなみに水道水は食品ではありません。それに対して、ミネラルウォーターは食品です。それぞれに必要とされている検査項目が異なります。東京都水道局の宣伝をJR車中で見かけますが、水道水の方がクリアしなければならない基準項目の数は多い

( http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/kijunchi.html )のも事実です。

この基準を見て、改めて放射性物質以外にも色々と気にしなければならない物質があるのだなと感じます。

特に、水道水の使用を推進したいとかいう気持ちがあるわけではありませんが、小学生たちが社会科見学で勉強する行程と同じ行程 で勉強させていただき、月並みかもしれませんが、継続的 に日常使っている水道水を守るために働いていらっしゃる方がこんなにも多くいる、だからこそ、今のような検査結果になっており、通常の生活を続けることが出来ることを改めて感じました。

小学生達はこのような水道局の他にも、リンゴ農園など、実際に汚染度の低い食べ物を作るにはどうすればよいかを懸命に考えている農家への訪問を行っていました。生徒の感想文を読み、放射能汚染を防ぐためにどのようなことをしているかを学ぶとともに、実際に努力されていらっしゃる 姿を直に見て、放射線や放射性物質の理解を深めるととも に、地元への愛着を育んでいることがひしひしと伝わってきました。今後も是非続けて欲しい取り組み だと感じています。

写真:PACが混ぜられた後、ここでフロックを形成して行きます。

http://apital.asahi.com/article/fukushima/2013061700009.html

坪倉正治

第452話  水俣と福島の共通点

 

 
「東京電力福島第一原子力発電所の事故は、水俣病に似ている」と語るのは、写真家ユージン・スミスさん(1978年死去)と共に水俣病を世界に知らしめたアイリーン美緒子スミスさん(61)です。

アイリーン美緒子スミスさんは20歳の時、世界的に有名な写真家ユージンスミスさん(52)と出会いました。

結婚後2人で水俣に移住して写真を撮り続けました。
日本語の出来ない夫の通訳も務め、患者と裁判に出かけ、一緒に寝泊まりもしました。
夫のユージンスミスさんの死後は、アメリカスリーマイル島原発事故(1979)の現地取材をきっかけに、一貫して脱原発を訴えてきました。

そのアイリーン美緒子スミスさんが指摘する、「東京電力福島第一原子力発電所事故と 水俣病は似ている」10の手口を紹介します。

①誰も責任をとらない。
②被害者や世論を混乱させ、「賛否両論」に持ち込む。
③被害者同士を対立させる。
④データをとらない。
⑤ひたすら時間稼ぎをする。
⑥被害を過小評価するような調査をする。
⑦被害者を疲弊させ、あきらめさせる。
⑧認定制度を作り、被害者数を絞りこむ。
⑨海外に情報を発信しない。
⑩御用学者を呼び、国際会議を開く。

半世紀たってもなお、水俣病は終わっていない。
「今、水俣病の裁判闘争の先頭に立つのは50代の方々です。まだ幼い頃に水銀に汚染された魚を食べた世代です。だから、福島に行くたびに思う。小さな子供たちに将来、『あなたたちに大人は何をしていたの?』と問われ た時、謝ることしかできない現実を招きたくないんです」とアイリーン美緒子スミスさんは語ってくれました。