その他

第528話  平井県警本部長

 
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8月22日付けで警視庁警備部長に転任する平井興宣(おきのぶ)県警本部長にインタビューした。

在任期間の1年5ヶ月を振り返って平井県警本部長は「原発から20キロ圏内の警戒区域が解除され、区域再編が進んだが、自由に立ち入る事が出来るようになった分、県警の対応が難しくなった。従って治安維持や防犯対策を最優先に、日々変化する情勢にいかに対応するかが大きな課題だった」。

今後の福島への支援については「警視庁警備部は原発にも警備要員を派遣しており、引き続き、震災復興に向けて活動することになる。私も福島に入り、指揮を取る覚悟だ」。

平井県警本部長は積極的に県内を回った。

心に残っている想いでについては、趣味の自転車を利用して二泊三日の 日程で、奥只見まで行った事だとにこやかに話してくれたのが印象的だった。

第527話  子供達の夢

 
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福島市の金融機関が集まる歩道脇に、幼稚園の子供達の夢が描かれた場所がある。

男の子は、警察官や医者やサッカー選手、女の子は看護師や消防士やパティシエが圧倒的に多い。

震災の影響なのだろうか、みんな、「人の役に立つ仕事につきたい」と願っているようだ。

子供達の夢が福島の未来そのもの。

子供達に見捨てられたら、福島県は終わりだ。

第526話  日本の青空

 

 
久し振りに映画「日本の青空」を観た。

日本人の誇りを憲法に託した福島県小高出身の憲法学者・鈴木安蔵の物語り。

様々な国の憲法や明治の自由民権憲法法案に精通していた憲法学者・鈴木安蔵(1904~1983)は、民間の「憲法研究会」案を通して、まさに日本人の心にかなった日本国憲法の基礎をつくりあげた立役者である。

憲法公布直後には憲法普及会の理事を務め、後に大学で教鞭(憲法学)をとり、日本国憲法の普及に尽力した。

「日本の青空」は、鈴木安蔵を中心に展開される日本国憲法誕生を巡る真実のドラマだ。

戦後GHQ は、鈴木安蔵らの「憲法研究会」が熟考を重ねた憲法創案が、真に民主的なものであると高く評価。この創案が、GHQ案作成時に大きな影響を与、それが日本国憲法に生かされていく・・・・というもの。

憲法はその前文で、国民の自由を守り、戦争を二度としない、そのために国民主権という方法を選択したと宣言している。この憲法の力によって、私達は戦後68年間、戦争をしない国であり続けた。

しかし、国会の動き次第では「憲法を変える事が出来る」情勢となっている。

憲法を改正するかどうかは、まさに主権者である私達が自分達の意思で判断すべき事柄だ。

憲法について一人一人が考え、そして学び合い、話し合いの場を持つことの必要性を「日本の青空」は私達に訴えている。

8月19日(月曜日)の夜7時から9時迄の生放送「月曜Monday (もんだい)夜はこれから」は、弁護士で医師でもある、獨協学園理事長の寺野彰(てらのあきら)さんと、福島大学元学長で福島九条の会代表の吉原泰助(よしはらたいすけ)さんをお迎えし、「日本国憲法はだれのもの」と題してお送りする。

日中は、寺野さんから要望で、鈴木安蔵の故郷小高区をはじめ、津波の被害が大きかった浪江町沿岸部などを回る。

さあ一緒に、憲法について考えよう。

「月曜Monday ( もんだい)夜はこれから」は、インターネットのユーストリームで世界中に音声と映像を配信中。

県外の方はパソコンかスマホでどうぞ。
 

『月曜Monday 夜はこれから!』(ラジオ福島)
【ustream】 月曜 19:00~20:50
 http://www.ustream.tv/channel/rfc-radio
【facebook】
 https://www.facebook.com/Monday1458
  

第525話  内部被曝通信 福島・浜通りから~そこにある日常に目を向けて

 

 
この原稿は朝日新聞の医療サイト「アピタル」より転載です。

南相馬市立総合病院
非常勤内科医
坪倉 正治

2013年8月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 

福島県の浜通り以外の場所で、相馬や南相馬での検査結果や状況をお伝えする機会があります。先日は筑波でした。坂根みち子先生にご紹介いただき、先生のクリニックと筑波大学で、現地の状況を話しました。先週は杉並区の阿佐ヶ谷や高円寺でも、お話しする機会をいただきました。

震災当時に浜通りに住んでおられた方、ボランティアでよく現地に行かれている方、興味で聞きにきてくださる方など色々な方がいらっしゃってくれます。市立病院に震災時入院されていた方から逆に、当時の状況を教えていただたこともありました。

元々このような会は、浜通りから震災後避難された方に、現地の状況がどうなのか、話したり相談したりする機会を提供できればよいなと思って始めたのです。山形に行ったり、名古屋に行ったり、色々な方々に助けていただきながら続いています。

福島県内でも、そうだと思うのですが、そこから離れるとさらに猛烈な「風化」を感じます。もちろん、来てくださった方々の中で、話を聞いて偏見が無くなったとおっしゃる方、生活スタイルが実際に変わった方、周りに現地の状況を伝えてくれる方も多くいらっしゃいます。

しかしながら、段々と参加してくれる方が少なくなりました。

とあるメディアの方からこんな話を聞いたことがあります。

放射線のことは、誰かが悪いという話か、誰かが頑張っているという話を作っても、現在の状況を伝え、あのとき何が起こったかというドキュメンタリーでも、放射線の科学的な話をしても、もはや視聴率が取れない。巨大イカや動物の話の方が視聴率がいい。やるなら、震災後xxx年とか、そういった時期を狙って、そこで番組を作るしかない。

とある政治家の方からはこう言われました。

もう復興予算としてお金は山のようにつぎ込まれているよ。なのに何でまだ足らないとか言うの?「(私が)これこれの体制の整備を進めて欲しいとか、あれが足らない」と言っても何か出来ることはないよ。自分たちでやってもらわないと。

参加者の一人からは、こうでした。

普通に現地の状況についての話をしてくれてビックリした。もっと思想的な話や、イデオロギー的話ばかりなされるのかと思っていた。運動とか活動とかそんな形のものには関わりたくなく。だから、周囲の人を(お話会に)呼ばなかったんだ。

これらは、今も現地で毎日を懸命に暮らしていらっしゃる多くの方にとって、受け入れがたい話だと思います。もちろん、そうではない方も少なくない。ただ、このような状況があることも事実です。

汚染水が漏れたことは知っていても、東電がxxxということをしたということは知っていても、夏祭りや花火大会にこんなにたくさんの人が参加したり、じゃぶじゃぶ池で多くの子供たちが笑顔で遊んでいたり、多くの方が普通の日常を淡々と暮らしていることは、知られていないのです。

もちろん、何も問題がない訳ではないです。今の「普通」が遠くの人には余り伝わっていないのだろうな、と感じました。ただ、その普通が伝わって欲しいと思う人も少なくなってきているのでしょうか。それとも、そんなことは考えないぐらいに、既に普通なのでしょうか。わかりません。

やっと梅雨が明けて暑くなってきました。折角の夏休み。多くの西日本やまだ見に来たことが無い方に、現地に足を運んでいただき、現状や、まだ手つかずで残っている場所が多くあることなど、見て欲しいと思います。きっと見に来てくださるだけで、変わるものがあるはず。

写真:杉並でのお話会でナッポさんと。

今度、南相馬と杉並の子供達でミュージカルが行われる(https://readyfor.jp/projects/37nouta )そうです。子供達も踊りの練習頑張っているそうです。

今回の記事は転送歓迎します。その際にはMRICの記事である旨ご紹介いただけましたら幸いです。

MRIC by 医療ガバナンス学会 

第523話  きょうされん全国大会

 
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毎日新聞名古屋版の夕刊に「きょうされん全国大会」が掲載された。

書いてくれたのは、かつて毎日新聞福島支局長を務めた笹子靖さん。

愛情いっぱいの文章に、感謝の言葉もない。

全文を紹介する。

★☆★☆
「震災と原発事故の苦悩が深い福島では、若い人の頑張りが私達の明るい希望です」。電話の声が弾んでいた。

ラジオ福島の大和田新アナウンサーとは、私が前任地、福島市で震災直前までの2年間、毎週彼の朝番組に出演させてもらった旧知の仲だ。

その大和田さんが来月、福島県郡山市で開かれる、きょうされん(旧称・共同作業所全国連絡会)全国大会で実行委員長を務める。

障害がある人達が働く小規模作業所や授産施設などが集まる全国組織の、年 に1度の交流の場。

放送を通して各地の施設や関係者と交流が深い大和田さんが、大会をリードする大役を引き受けた。東海地方からも多くの人が参加する。

震災で小規模作業所なども大きな被害を受けた。福島では、原発事故の影響で施設職員の不足や仕事の減少が続くが、大和田さんは「鎮魂と復興に向かう大会にします」。そして「次に来る大災害の時、同じ苦しみを繰り返さない備えを共に考えたい」。

おやじギャグが玉にキズの、底抜けに明るい人気アナが言葉に力を込めた。

(笹子靖)

「玉にキズ」は、男の象徴ですから!