第9話 細野大臣

 

細野環境兼原発事故担当大臣が、民主党政調会長に就任する事が決まった。

被災地福島は、困惑している。

「原発事故は何一つ解決していない。民主党代表選挙に出ない理由は、福島復興にあったはず。党の要職に就くのは矛盾する」との県民の意見が多い。

細野大臣が現職から離れることで、福島復興の動きが鈍ることは必至だ。

次期衆議院議員選挙の顔としての思惑が滲む。

かつて野田総理は言った。「福島の復興なくして、日本の復興はない」と。

今回の人事は、被災地の復興より、党の事情を優先させた最悪人事と言われても仕方ない。

細野大臣は昨日、県庁に佐藤雄平知事を訪ね、民主党政調会長就任を報告した。

佐藤知事がこれまでの細野大臣の取り組みを「お疲れ様でした」と労うと細野大臣は「~でした。という過去型ではなく、これからも党として精一杯、福島の復興・復旧に取り組んで行きます」と述べ、格の違いを見せ付けた。

後任の原発事故担当大臣は、被災地に足を運び、被災地に全身全霊を傾ける人であってほしい。

そんな人が今、民主党にいるのだろうか。