第8話 高校野球

 

いわきグリーンスタジアムは、雲っています。

東北大会出場をかけた、秋季高校野球県大会3位決定戦が終わりました。

光南高校が4対2で、福島東高校を下し、東北大会出場を決めました。

チアリーダーを中心とした華やかな応援の光南高校に対し、福島東高校は羽織袴姿の応援団長を中心としたバンカラな応援と対照的でした。

福島東高校4番の今泉翔太選手は警戒区域となっている浪江町の浪江中学出身。

夏の甲子園に3回出場した双葉高校進学を目指していましたが、原発事故により福島に避難してきました。

ピッチャーの松下凌選手は、全村避難となっている飯舘村から福島に避難。

2人は不自由な避難生活を送りながらも懸命に野球に打ち込み、チームに溶け込んできました。

4番の今泉選手に双葉高校への思いを聞きました。

今泉選手は回りの仲間を気遣うように言いました。

「僕の母校は福島東高校です」

何て失礼な質問をしてしまったのかと、後悔しました。

決勝戦は王者聖光学院高校対古豪白河高校。

5回を終わって4対0で、聖光学院高校がリードしています。

高校球児の全力プレーに、福島の明るい未来を感じます。