第614話 凱旋門賞とキズナ
世界最高峰の競馬のレース「凱旋門賞」が10月6日(日曜)パリのロンシャン競馬場で行われる。
日本からは昨年のこのレースの2着馬・オルフェーヴルと、今年の日本ダービーの勝馬・キズナの2頭が出走する。
両馬とも9月に現地で行われたレースに勝ち、世界一に向けて順調な仕上がりを見せている。
キズナに騎乗するのはベテランの武豊騎手。武豊騎手は震災後、福島競馬場にいち早く駆けつけて、支援を申し出てくれた。
7年前にはキズナの父・ディープインパクトで凱旋門賞に挑戦したが、3着入線後、失格となる苦い経験をしている。
その武豊騎手がレースで着る勝負服を仕立てたのが、福島競馬場脇に店を構える「河野テーラー」の社長・河野正典さん(41)。
震災後、福島の勝負服は縁起が悪いと、注文が激減した。その時、支えてくれたのが、武豊騎手を始めとする騎手の皆さんだった。
「震災前は、私の勝負服が1着でゴールを駆け抜ける事しか考えていませんでしたが、今は事故 なく無事にゴールしてくれる事を願っています。キズナの馬主さんの前田さんは、日本ダービーをキズナで優勝した後、福島市に多額の支援金を贈って下さいました。キズナが凱旋門賞を勝って、世界にキズナの意味を知ってもらいたいと思っています。私は心を込めて、武豊騎手が着るキズナの勝負服を2着作りました」と、河野さんは静かに語った。
先行するオルフェーヴルを最後の直線でとらえたキズナが優勝!2着オルフェーヴル。
その時は、フランス産ワインで一人乾杯しよう。
※オルフェーヴルの勝負服は、現地のエルメスが仕立てる。
※キズナの勝負服を2着作ったのは、盗難が多い為。
2013年10月5日 | その他