第593話 ありがとうございました
全盲のマラソンランナー福島市の星純平さんを励ます会が、市内のお好み焼き屋「かっちゃん」で行われた。
星純平さんは、フルマラソン(42・195キロ)を3時間を切って走る「サブ・スリー」を目指している。
純平さんを励ますために集まったのは総勢14名。その中には、北京オリンピックマラソン代表の佐藤敦之選手も含まれていた。
佐藤敦之選手は縁あって、星純平さんのトレーニングを指導している。この日は、仲間が用意したル・パン三世の衣装に着替え、場を盛り上げてくれた。
純平さんは、10月に行われる「円谷メモリアルマラソン」のハーフに出場する。その伴走を務める、須賀川市の自衛官・加藤雅士さんも駆け付け健闘を誓った。目標タイムは、『82分!』
このタイムで走れば、11月のフルマラソンで、サブスリーが見えてくる。
和気あいあいの励ます会だった。最後に純平さんを真ん中に、ル・パン敦之選手と加藤雅士さんが記念写真に収まった。
翌日、星純平さんから感動のメールが届いた。私の永久保存版だ。
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昨晩もお世話になりました。
ありがとうございました<(_ _)>
本気(マジ)で楽しい大和田一座です♪
大和田さんをはじめとして、多くの方々からのご支援や応援によって自身の処世感が変わっていく事を幸せに、そして複雑に感じています。
昨晩も帰宅し妻が風呂に入っている間、一人、色々と思いました。障害によって心を揺さぶられてきました。それはいまも変わりません。できない事の多かった青春時代から視力を失っていった二十代。持ち合わせた性格の明るさは抑制してきました。
自身思ってきた事として「明るく前向きな重度障害者」と言うのは、不自然な存在と考えてきました。そしてそれを自身に対してもそうであるべきと抑圧的に受け入れて
きました。
よく大都会に住む時に「群衆の孤独」を感じると言います。とて も理解で
きます。やはり健常者の中にあって視覚障害者である現実は、何の前触れもなく否応なく突如として孤独に苛まれてしまいます。それは自身の殻をとても厚くさせました。
しかし、マラソンを縁とする出会いによって厚い殻が薄くなってきています。「見えない事」は「見えるようになる事」でしか解決できないと思っていました。
できない事に言い訳をさせて現実と向き合おうとせずに逃げていたのだと気がつかされました。
マラソンはそれを劇的に気がつかせたものだったのです。
振り返ってばかりで前に進んでいないじゃないかと言われるかもしれませんが、僕にとってのマラソン開始から3年10か月。人生に絶望していた者が自身に期待している。
可能性を見出し ていると言う現実の心の在り様は
、自分の中に前向きな見知らぬ他人がいるように感じるほど凄まじい変化なんです。
お世話になってばかりなのにこう言うのは恐縮なのですが、皆さんのご支援をいただき前を走る「理想の自分」に追いついて捕まえたいです。
本当の自分自身と出会い
たい。何に抑圧される事無い本当の自分自身に。
星純平
2013年9月26日 | その他