第548話  絆診療所

 
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南相馬市鹿島区の仮設住宅のいっかくにある「絆診療所」。

震災前、小高市民病院長だった遠藤清次先生を始め7人のスタッフが、「仮設住宅から孤独死を出さない!」を合言葉に、懸命に地域医療を支えている。

この日は、震災直後から南相馬市の医療支援に当たっている、長野県は諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生が、仮設住宅に住む人達の為の健康講演を行った。

鎌田先生は集まった40人の住民に対し「塩分を控え、脳卒中にならないようにしましょう。緑黄色野菜を意識して食べ、ガンにならない体を作りましょう。一日に一回は感動して幸せホルモン『セロトニン』を出しましょう。夕陽や道端の花を見て美しいと思うだけでいいんですよ」と、分かり易く話してくれた。

鎌田先生の講演会の後は、絆診療所の管理栄養士・鶴島綾子さんの減塩料理を味わった。

仮設住宅の皆さんは一様に、「塩分押さえても、うめえもんだ」「毎日、食いに来てえない」「一食ういたな~」と、勝手なことを言っていたが、どの顔も、セロトニンが溢れる幸せ顔だった。

記念写真におさまる鎌田先生は「もっと、若い女性に囲まれたい!」と絶叫し ていたが、まんざらでもなさそうだった。

私は若い女性を見ると、セロトニンより『エロトニン』がドッと溢れて困る。