第542話  檜原湖合宿

 
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全盲のマラソンランナー・福島市の星純平さんと北京オリンピックマラソン代表の佐藤敦之選手の合宿が、2日間の日程で行われた。

初日は千メートルを10本と2百メートルを10本のスピードアップを重点に置いたハードな練習、2日目は檜原湖一周31キロを2時間50分で走り、スタミナ強化を目的としたトレーニングを行った。

31キロを伴走した佐藤敦之選手は、「昨年の純平さんとは別人の感があります。スタミナもスピードも申し分ありません。サブスリーが現実のものとなってきましたね」と笑顔で語った。

純平さんの目標は、フルマラソンを3時間切って走るサブスリーの達成。

師匠である佐藤選手にお墨付きをもらった純平さんは「ありがとうございます。支えてく れた皆さんへの感謝の気持ちを力に変えて目標達成に向けて頑張ります」と滴る汗を拭おうともせず決意を述べた。

純平さんは、マラソンを始めてまだ3年7ヶ月。ベストタイムは昨年4月の霞が浦盲人マラソン大会の3時間5分15秒。今年4月の同大会でサブスリーを達成するつもりだったが、夢は寒さと悪天候に阻まれた。それでもタイムは、3時間5分30秒。

「あの最悪コンディションでベストに近いタイムで走れたのは、力がついた証拠。何もがっかりすることはありません」とレース後、佐藤選手は話してくれた。

次のフルマラソンは11月23日。純平さんは密かに2時間55分切りを狙っている。

全盲の星純平さんと佐藤敦之選手は犬の首輪を持って走る。この首輪を純平 さんは「絆」と呼んでいる。二人の距離はこの「絆」で保たれている。長すぎても、短すぎてもいけない。

添付した写真は、檜原湖一周31キロを走り終った星純平さんと佐藤敦之選手。(達成感に溢れている)

二枚目は、佐藤敦之選手の奥様・美保さんと、純平さんを支えている斎藤真裕さんご夫妻を交えての記念写真。

さらに三枚目は、2日間の合宿でお世話になったペンション「ラグ・マーケット」のオーナーご夫妻。

ペンション「ラグ・マーケット」の売りは「熱い温泉と手作りピザ」奥さんは合宿に来る高校生からは「お母さん」と呼ばれている。温かい人柄が言葉の端々から伝わってくる素晴らしいご夫婦だ。(2日目のお昼に頂いた朝どりのトウモロコシとトマトの甘かったこ と!オラ、びっくりしたなもお)