第521話 花火大会
南相馬市原町区萱浜(かいはま)で、震災から2年5ヶ月経った8月11日(日曜)、鎮魂と復興への思いを込めた花火大会が行われた。
実行委員長を務めたのが、家族4人を津波で亡くした上野敬幸(たかゆき)さん(40)。
上野さんは挨拶で、この地域で亡くなった137名を始め、震災で犠牲になった全ての御霊の為に花火を打ち上げる事を宣言した。
花火師の糸井一郎さんは、「鎮魂から復興への思いを乗せて、一発一発、丁寧に心を込めて打ち上げます」と語った。
上野さんの自宅は海岸から800メートル離れている。そこに、7メートルの大津波が押し寄せた。庭には、人の背丈を越えるヒマワリが 子供達を見つめている。
この日、イベントのステージを務めた浪江町請戸のシンガー・門馬よし彦さんに萱浜の海岸で「願い」と新曲の2曲を歌ってもらった。波の音を聞きながら。
午後7時、真夏の夜空に大輪の花が咲いた。
土台も撤去された自宅前に献花を持ち、家族を想い花火を見つめる人達がいる。
50代の主婦は「両親を津波で失いました。震災直後はその現実を受け入れられず、前に進む事が出来ませんでした。でも、あれから2年5ヶ月、やっと両親の死を受け入れ、少しですが、前を向いて生きて行く事が出来るようになりました。今夜の花火はさらにその思いを強くさせてくれました」と。
8月12日(月曜日)夜7時からお送りする「月曜Monday ( もんだい)夜はこれから」は、南相馬市原町区萱浜の花火大会に関わった、上野敬幸さん、花火師の糸井一郎さんの震災から2年5ヶ月経った今の気持ちと、花火に託す熱い思いを紹介する。
そして、門馬よし彦さんの海岸ライブをお聴き頂く。潮風に乗せて。
県外の方はパソコンかスマホでどうぞ。
『月曜Monday 夜はこれから!』(ラジオ福島)
【ustream】 月曜 19:00~20:50
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