第493話  誰の為の除染

 
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猛暑の中、連日除染作業が続いている福島市。

作業員の皆さんの健康管理は十分なのだろうか。

いよいよ今週末、自宅庭の除染作業に入る。

この団地の除染は当初の予定では、今年3月中だった。

「作業員の不足から遅れた」と、福島市の担当者から説明があったのは、6月になってからだった。

自宅庭の放射染量は0・18マイクロシーベルト。国が除染の目安としている年間1ミリシーベルトの規準となる、毎時0・23マイクロシーベルトを大幅に下回っている。

除染の必要があるのか悩むところだが、震災時は12マイクロシーベルトあった事を考えると、今さら感が強くなる。

2年4ヶ月経って、やっと始まる除染。誰の為の除染なのか。

除染して剥ぎ取られた汚染土は、白いプラスチックケースに入れられ自宅庭に埋めるか、一ヶ所に集められ青いビニールシートに覆われるだけだ。

自宅での保管期限は決まっていない。

除染 ではなく、移染に過ぎないと住民は言う。

原発事故で出た瓦礫や汚染土の最終処分場、中間貯蔵施設、仮置場、仮々置場も決まっていない為に、自宅庭に置かざるをえない現状に、改めて国や県、基礎自治体の無策に不信感がつのる。

果てしない除染作業は、いったい誰の為のものなのか。