第49話 子供たちは見ている

 

震災後、福島の子供達は全国から沢山の支援を受けています。

昨年の8月。
福島市飯坂町の平野中学校の2年生50人が、東京の企業の支援で、日帰りで東京ディズニーランドに行く事になりました。

しかし直前に行き先が、横浜の山下公園に変更になりました。

行き先を変更したのは、主役である中学生自身でした。

平野中学校の生徒の7割が果樹農家。

その大半が桃を育てていました。

桃は夏の果物。

しかし果樹農家が1番忙しいのは1月・2月の厳冬期の剪定作業です。

生徒達は、寒さの中懸命に農作業を行っている、じいちゃん、ばあちゃん、それに両親の苦労を目の当たりにして、全く売れない桃を横浜で消費者に直接渡し、 福島の現状を理解してもらいたいと、立ち上がったのです。
生徒会長が代表して校長先生を説得、其々の生徒が家庭で家族を説得して実現しました。

横浜山下公園で配られた300個の桃は、あっという間に無くなりました。

その時生徒達は、「福島の美味しい桃です!家族が一所懸命作りました。放射能検査もしてあります。全く心配ありません。安心して食べて下さい」と、声を枯らして呼びかけ、桃を配りました。

子供たちは、私達大人の背中を見ています。

彼等の手本となるように、手を抜かず 頑張っていきましょう。

原発事故が教えてくれた。
「手を抜くと、手間がかかる」

福島の復旧・復興を担う子供達の為に、私達大人が何をすべきか、一緒に考えていきましょう。

全ては、子供達の為に