第416話  ②民宿鈴亀さんひ、

 
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震災の年の10月に営業を再開した、薄磯にある民宿鈴亀。

ご主人の鈴木幸長さんを元外務大臣の玄葉光一郎衆議院議員(福島県三区選出)と訪ねた。

民宿の建物一階まで、津波が押し寄せ、必死で屋上に避難したと、幸長さんは当時の事を振り返った。

民宿の前にある豊間中学校の体育館に入り、当時出席していた卒業式や壊れたピアノの復活物語を聞いた。

幸長さんは薄磯地区の観光協会組合長として卒業式に出席、その3時間後に大津波が薄磯を襲った。幸い生徒に被害はなかったが、多くの住民が犠牲となった。自衛隊による遺体身元確認作業に立ち合った幸長さんは、40人を越える身元を確認した。皆、顔見知りだった。

体育館のステージに転がっていた瓦礫寸前だったピ アノを、2万個にも及ぶ部品の取り替え作業の結果、甦らせた奇跡のピアノの話を聞いた玄葉さんは「 壊れたピアノが、豊間中学校の復興のシンボルとなった事に感動しました。この豊間中のピアノが震災の記憶を後世に伝えてくれる事を願っています」と語った。

鈴木幸長さんによると、豊間中学校周辺はハマナスの群生地。

震災後、新芽を取って民宿入り口の花壇にさした。

震災の年は全く咲かなかった花が、昨年は5輪、今年は数えきれないほどの花を咲かせている。

幸長さんは、「萎えた気持ちを、ハマナスの花達が奮い立たせてくれた。この花と共に、薄磯を復興させて行きますよ」と笑顔で語った。