第395話 豊間海岸
気持ちの良い潮風が全身を包む。
白亜の塩屋埼灯台が、哀しそうに、海を睨んでいる。
津波の跡は今も消えない。あれから2年2ヶ月も過ぎたのに、新しく手向けられた花が、家族を失った悲しみが癒えない事を教えてくれた。
「私達は必ずまた立ち上がる」そんなメッセージに復興への決意を感じた。
海岸では何事も無かったかのようにサーファーが波と戯れていた。
地元いわきのサーファーだった。
「海に入る前には必ず、海に手を合わせています」
その一言に救われた。
2013年5月17日 | いわき市