第306話 浪江町区域再編

 
DSC_1608
 
東京電力福島第一原子力発電所の事故で全域が避難区域となっている浪江町は4月1日午前0時に「帰還困難・居住制限・避難指示解除準備」の3つの区域に再編された。

双葉郡8町村で人口の最も多い浪江町。

日中の自由な立ち入りが可能となる「居住制限、避難指示解除準備区域」の人口は浪江町全体の8割を超える。

生活環境の整備が最優先だが、ガスや水道はほとんど復旧していない。

下水処理場と下水道管が被災したため、町内全域で下水道も使用できない。

ガス漏れの恐れもあり、町はガスを使用しないよう呼びかている。

除染も急務で、町はほとんどの行政区ごとに放射性廃棄物を一時保管する仮置き場を設置する方針だ。

しかし、住民との調整は思うように進んでいない 。

浪江町の馬場有(たもつ)町長は社会基盤の復旧について。

「仮置き場を早急に設置し、除染に入りたい。国には廃棄物の減容化施設を早く造るように求めている。社会基盤は上下水道の復旧が急務だ。
浪江町は震災によるゼロからの出発ではなく、原発事故によるマイナスからのスタートとなる。太陽光発電などの事業を町内で展開できるようにし、若者が帰還できる町をつくりたい」と 述べた。