第261話 浪江レポート②

 

 
浪江町津島の双葉砕石場に着くと、放射線量が一気に、この日最大値の20マイクロシーベルトまで上昇した。「うわ~高い!」カンニング竹山さんの声が辺りに響いた。
 
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その後の静寂さの中に、請戸川の清流の音だけが耳に残った。

「これからトンネルに入ります。線量計の数値を見てて下さい」

私の声に、一斉に放射線測定器に目をやる。

トンネルに入った。

20マイクロシーベルトまで上昇した数値が一気に下がる。

「0.1まで下がりましたね。びっくりです。コンクリートの放射線の遮蔽率がこんなに高いなんて驚き です」。

トンネルを抜けると、線量計の数値は、あっという間に5マイクロシーベルトまで上昇した。

浪江町の中心部に入った。写真は浪江駅前と商店街の様子。2011年3月11日(金曜)から、何もかわっていない。

浪江駅前の横断歩道には、県民の皆様の浄財で設置した「視覚障害者用音の出る信号機」が錆びたままの状態で残っていた。

浪江町復興の証しとして、またここに「音の出る信号機」を設置しようと強く思った。