第233話 玄葉レポート③
プレハブ校舎の福島県立小高工業高校。
福島県内では唯一、高校生平和大使に選ばれた、前生徒会長の高野桜さんを訪ねた。
高野桜さんは昨年夏、核廃絶と平和を訴える為、スイスのジュネーブの国連欧州本部で英語でスピーチしてきた。
また、今月は長崎市で、そして来月はブラジルで福島県や故郷小高の現状を発信する。
そんな高野桜さんには、一つ心残りがあった。
それは、高校生平和大使としての活動報告の為、昨年10月外務省を訪ね、玄葉外務大臣に会うことなっていたが、尖閣問題の為に会えなかった事だ。
この日は、念願叶って玄葉さんに会い、あの時副大臣から贈られた感謝状が、あらためて玄葉前外務大臣から渡された。
高野桜さんの夢は、小高工業高校の先生になって戻ってくること。
それは、震災を受け、自らも被災しているにもかかわらず、自分達生徒に寄り添い、生徒と一緒に苦難を乗り越えてきた姿に感動したため。
震災以降私は、1000人を超える若者達にインタビューしてきた。
彼らは福島の復興・復旧に役立ちたいと思っている。
しかし、政治家になりたいと言った若者は一人しかいなかった。
玄 葉さんは言った「必ず、政治家になって福島県を、故郷を建て直そうという若者は出てきます。私は期待しています」と。
2013年2月26日 | 南相馬市