第168話 墓標の高台
★南相馬市鹿島区南海老地区の、太平洋を見下ろす高台。松の木を乗り越え15メートルの津波が襲った。
手作りの墓標も、津波で流された家の土台も全て撤去された。
ここでは、3人の家族が亡くなった。海の好きな家族が、父の定年をきっかけに6年前に福島市から越して来た。
地震発生直後3人は、南相馬市が指定したハザードマップに従って近くの公園に避難した。
津波は容赦なく、その場所に避難した住民11人をのみ込んだ。
ハザードマップは、全く役に立たなかった。
★遺族にとって、現実を受け入れ、忘れようとすることも、大切な心の復興につながるのだと、更地に立ち、波の音を聞きながら思った。
何もなくなっ てしまったらこそ、ここに来て、手を合わせることが、私のこれからの大切な使命だと実感した。
YouTubeで「ラジオ福島願い」を検索してもらうと、墓標の写真を見る事ができる。
震災から半年間撮り続けた写真を、浪江町請戸出身のシンガー門馬よし彦 さんの曲「願い」に乗せてスライドで紹介。
http://www.youtube.com/watch?v=K8SOLksIhDI
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2013年1月13日 | 南相馬市