第110話 あみちゃん諒くん
★福島県主催の「ふくしま・きずな物語」の入賞作品から、福島市立飯野中学校1年生の廣野あみさんの作文を紹介します。
あみさんと弟の諒くん(青木小学校5年生)の二人は、震災後、自宅前の国道に出て、自衛隊や警察の復興支援車輌に対し、「ありがとう」「頑張って下さい」の手書きのメッセージを掲げ、感謝の気持ちを表してきました。
あみちゃん、諒くんの将来の夢は、警察官になることです。
★「ふくしま・きずな物語」
廣野 あみ
「頑張って下さい!」
「お疲れ様でした!」
手作りのメッセージボードを持ち、私と弟は、昨年の4月から国道114号線で、浜通りに向かう警察、自衛隊車輌へ応援の言葉を送っています。
始めは、手を振り返してくれるくらいだったのですが、災害派遣に向かう途中や、帰る途中に車を停めて、話しかけてくれるようになりました。
なかには、
「ありがとう。励みになっています」。
と言って、泣いていた警察官もいて驚きました。
何気なくやっていた事が、本当に嬉しかったのを、今でもハッキリと覚えています。
そして、もっとしっかり応援したいと思うようになりました。
しばらく続けていると、災害派遣を終え、県外へ帰った警察官や自衛隊の皆さんから手紙や寄せ書きの色紙が送られてきました。
その手 紙には、
「ありがとう」や「お互いに頑張ろう」などと書いてありました。
寄せ書きの色紙には、
「絆」という字と、たくさんの人からのメッセージが書いてありました。
「絆」とは、前から知っている言葉だったけど、今回の震災で、本当に大切な言葉になりました。
福島の方は、皆で力を合わせてあの震災を乗り越えようとしています。
また、他県からもボランティアや寄付、救援物資など、たくさんの方が援助してくれました。
警察官、自衛隊の皆さんも危険な場所へ入り、今もまだ頑張ってくれています。
とても悲しく、辛い震災だったけど、皆で一致団結した「きずな物語」を見ることができました。
一生忘れず、自分の子に、孫に、しっかりと伝えていこう と思います。
廣野あみ
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2012年11月27日 | 福島市